女忍者お雪 修行編       作者:名和 さん  


中空にただよう佐助(の魂)は、摩論居士にしごかれる
雪の様子をみていた。
と、突然背後から忍び寄る何者かの気配が!
「あ! おひさ〜」
「・・・もっちゃん?」
「うん。なんだか死んじゃったみたいでさ。元気してた?」
「いや、死んでるけど」
「あ、そうだよねー。俺もなんだ、奇遇だねえ」
「ていうか、なんでこんなとこにもっちゃんが?」
「だって俺、伯耆の出身だもん」
「あ、そうなんだ。へえ」
「大山の賽の河原に来たんだ。ひまだし」
「あ、ちょうどいいや、加勢蛇川ってさ、なんて読むの?」
「え?」
「ほら、最初のヤツ、二行目の終りのほう。ジモティーならわかるでしょ。」
「えーと、かせちがわだっけ、かせいちがわだっけ。。ま、そんな名前」
「あいかわらずアバウトだなあ」
「いいじゃん、どうせ死んでんだし。ていうか、あ、見て」

「摩論び〜む!」ちゅど〜ん!!
「照霊歩〜手ー諸んッ」スーッと消える
「差異古希根死素」ゴゴゴと岩が動く

「す、すごいね、あの摩論居士って」
「そのうちロプロスとかポセイドンとか呼びそうだな。。」
「お!、お雪ちゃんが水浴びしてるぞ」
「滝で修行してんだよ」
「水で濡れて、着物がスケスケだ。うひゃ!」
「わー、見るな見るな、俺の雪を見るなあ!」
「いいじゃんよ、死んでるんだし、役得役得」
「貴様、成仏させてやる。まてー!」
「うわ、ちょっとタンマ、いや、まじで、ちょっとー」

あの世でも楽しくやっているようである。