**初恋**



瞼 閉じれば今も浮かぶ

あなたの笑顔 モノクロ写真

脳裏の奥 深く焼きついてる



忘れられるものなら

忘れてしまいたい

適わない恋をするために

生まれてきたんじゃない



何年経っても

変わらない気持ちは

ただ切なさだけが

いつまでも降り積もって

逢えない君を想って流す涙は

天の川の水嵩をとうに超えてしまった



春になれば

出会った頃を思い出し

人知れず胸が高鳴る

恋とは知らずに

ふざけ合うだけの時間

ただ明日が来るのが

待ちどうしくて



陽射しの中

大人びていく君が

眩しかった夏

友達に囲まれて

楽しそうに笑う顔を見てるのが

何より好きだった



クラスが離れて

初めて気づいた自分の心

知らぬ間に君の姿

探してるわたし

赤く染まるグランドにはいつも

汗を流し だれよりも輝く

君がいた



人生最初の岐路

近づく別れの時

止められない日々に

苦しくて

切なくて

その姿 永遠に刻み込みたくて

一度でも多く会いたいと願ったあの日



涙止まらなかった卒業式

この時を生涯忘れないと

心に誓う

想い出刻んだ友達に励まされ

泣きながら書いた手紙

握り締め駆けつける君のもと

人込みかきわけ

やっと渡した白い封筒

いままでの「ありがとう」と

今日の日の「さよなら」

それだけ伝えたくて



何年も前に

断ち切った思いなのに

こうして時折 思い出しては

胸を締め付ける



瞼 閉じれば今も浮かぶ

あなたの笑顔 モノクロ写真

脳裏の奥 深く焼きついてる

深く…

深く焼きついてる