風邪ひいて倒れてる場合じゃ、ありません(己が!)
読んでる皆さんの悪夢が再び!!
帰って来なくてもいいのに、帰って参りました!「火曜時代劇日記!」
(旗本退屈男の間は寝てたんかい!←ハイ、正直)
鬼平の日記でうんざりした、其処の貴方!ごめんなさいね。
日記のジャンルを間違えたみたいです。(誰がCGだよ…)

しかし、放送開始と共に、一抹の寂しさも募ります。原作者の絶筆に伴う
シリーズ維持の不可能さ、役者、渡辺 謙さんの意志で

(斬九郎をやるには、自分は歳をとり過ぎました…との事です。そんな事ないのになあ…)
この「御家人・斬九郎」はこれで、ファイナルです。(;_;)

鬼平に続いて、斬九郎迄…もう、放送を望む、一縷の希望も持てなくなるのですね…。

「第1話・迷惑な忠義者」
御家人・斬九郎ならではのエンディング…そう、必ずしもハッピーではない
親友・西尾伝三郎の為に、東奔西走した結果、親友の左遷と命は守れたものの、
事件そのものは後味の悪い結末を迎えます。

「掴んだと思ったら、泡だった…」

事件の顛末の後、雨の外を寂しそうに眺めて、斬九郎が呟きます。
強くてバイタリティもある斬九郎が、とても可愛く見えたシーンでした。

とはいえ、麻佐女様(岸田今日子)は相変わらずのグルメ振りで御健在。
渡辺さんとの息のあった、親子振りで笑わせてくれます。初めて麻佐女様を
TVで見た時は、正直、ギョッとしました。時代劇にはあるまじき、ド紫のシャドウのピンクの口紅!
「これは…妖怪振りを強調するメイクなのか…!?」とビビりました。
今日は、ルージュがオレンジ系になって…!?麻佐女様vv可愛いvv
岸田さんにとっても、グルメな母親役は「ゴキゲンな役」だったのだとか…
小鼓も薙刀もずいぶん稽古されたそうですが、特に薙刀の腕前は上達された
気が…(単に迫力が増しただけかもしれないです…)蔦吉姉さんも、一層、色っぽくなられてましたv
さて、今回のゲスト俳優は「火野 正平」さん演じられる(小松新十郎)。
鬼平の「一寸の虫」以来のお目見えです(私には)
「一寸の虫」で「義理」を通して死んだ、仁三郎役を好演なさってた
火野さんですが、今回は一変。
感情を押し殺した様な宮仕えの役。たまたま走って逃げて来た
かっぱらいを無言で一刀両断に切り捨てる
(急所は外して)冷酷振り。斬九郎は一見して、新十郎の事を訝しみます。
(結局、この勘は当たるのですが…)
今回のポイントはお久しぶりの「斬八」の登場!この名前
実は斬九郎が太鼓持ちをする時の「芸名」とでも言いましょうか。
「無益」とはいえ、家柄は由緒正しい斬九郎。
なのに。平気でこんなバイトもやっちゃう(笑)たまりません。

結局、斬九郎は婚約者だった、須美さんとも婚約解消してしまい
人生の方向があったのがこれにたどり着くことができず、自分の生きていく方向
すらなくしている男になってしまいます。
時代もどんどん変化をしていって、侍とは何なのか、自分の立脚点はと
思い悩み、生きていく場所をなくしている…そんな人だと思います。
でも、そんなヒューマニズムに満ちた「粋」が堪らない魅力なのが
「御家人・斬九郎」です。

今回のお話で、新十郎が言います「子の為ならば、親は鬼にも夜叉にも変わる…」
これを聞いた斬九郎が「親心で人を殺すのか…!!!」と、怒鳴るシーンがありま
したがこの頃(天保に限らず、昔)の親とは、そうなんですね。「子供の為ならば…」
この場合子供の為に行われた一連の事柄は、斬九郎の言う通り、「人として」
許されるべきものではありません。けれど、最近は自分の子供に向かって
「夜叉も裸足で逃げ出す様な」行いをしてしまった、悲惨なニュースをよく耳にします。
この移り変わり様こそが、今の「寂しさ」そのものだと、番組を見ていて感じました。
このシーンが皮肉なものに見える今は、何かを考えないといけないのかもしれません。(話しそれた)

今回はファイナルと言う事で、最終回は渡辺 謙氏自ら、「監督」をされたそうです。
今からとても楽しみな様な…寂しい様な…(笑)


【覚え書き】


放送日


サブタイトル


脚  本


監  督


ゲスト


1


11/13


迷惑な忠義者


金子 成人 


齋藤 光正 


火野 正平 


2


11/20


箱根の鬼


古田 求


田中 幹人


三ッ木清隆


3


11/27


最後の忍者


中村 努


原田 徹


真瀬 樹里


4


12/4


盗賊見習い


田村 惠


田中 幹人


米倉 斉加年


5


12/11


ゆうれい長屋 


田村 惠


三村 晴彦


三浦 洋一


6


未 定


捨値五両


田村 惠


原田 眞治


萩原 流行


7


未 定


母の夢


金子 成人


井上 昭


藤村 志保


8


未 定


乱調麻佐女


金子 成人


津島 勝


林  与一


9


未 定


冬木町の女


金子 成人


田中 徳三


美保 純


10


未 定


最後の死闘


金子 成人


渡辺 謙


山崎 努



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2002年02月26日(火) さらば、斬九郎

うう…うううう〜(まだ涙が止まらないらしい)
どうしてこんなに涙がとまらんのか、自分でももはやワケが解りません。
仕事が佳境のこの夜に…日記なんて書いてる場合じゃありませんのですが
今夜だけは許してください。
今夜は、斬九郎とお別れの日だったので。
鬼平と同じく、長い間、この時代劇を好きだった気もしますし
短かった気も致します。
今夜は謙さん自ら、メガホンをお取りになられたファイナルでした。
色々な所で色々な感想があるでしょうし、どれも正しいのだと思われます
ですが、今夜のお話。
私は…斬九郎のダンナは逝ってしまわれたのだと思いました。
ラストの蔦吉と二人で人力を引くシーン…。あれは斬九郎が死ぬ間際に見た
一瞬のゆめだったと解釈しました。
あのシーンを凄惨な「死闘」の続きと考える事は、どうしても出来なかった
のです。
「また、梅の割く頃に会おうぜ」
そう行って、ダンナは行ってしまいました。遠くに。
最期迄「好き」と言い合えなかった蔦吉さんも
代わりに死闘に出かけると言った息子想いの母親、麻佐女様も
親友の西 尾 伝三郎様も、子分の佐次の親分も
みぃーんなを置いて、独りで逝ってしまわれました。
雪の中を走る、蔦吉姐さんは美しかったが、悲しかった。
もう、これっきりなんですね。斬さん。
寂しいですよ

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