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エッセイ一覧

>>"ひょうたん島は、死後の世界だった"<<

「ひょっこりひょうたん島」という番組は1964年から5年間NHKで放映された人形劇ですが、(実際に観たことはなくても)知ってる人は多いかと思います。
ひょうたん島のメンバー、サンデー先生、ドン・ガバチョ、博士、プリン、と観たことはなくても聞いたことのある名前ではないでしょうか。
作者井上ひさしが、故郷である山形県川西町で開かれた「ひょうたん島」を語り合う講座の席上で、井上はスタッフにも伝えていなかった衝撃的な事実の秘密を明かしたそうです。

その背景とは、こういうものです(読売新聞からの抜粋):
井上、共作者で78年になくなった山元護久、竹井ディレクターの3人とも、家庭の事情で親に頼れない少年時代を過ごした。
「大人たちに徹底的に絶望した」少年たちが、ユートピアとして考えた「ひょうたん島」は、「親も大人も存在しない、我々が新しい生き方を作って行かなくてはならない場所」になっていったという。
そして、そんな「どこでもない場所」の物語にリアリティーを持たせ、作者の2人が自分自身を納得させるために出した結論が、死者の物語という設定だった。
劇中に「御詠歌」や「四国霊場物語」を出したのはそのためだが、2人だけの秘密だった。

今回井上が講座で秘密を明かしたのは、「みんながひょうたん島を好きなことがよく分かったので、基本的なことを知っておいて欲しいと思ったから」だそうです。
ひょうたん島は、今でもあこがれのユートピアなのでしょうか。

(10月12日付読売新聞を読んで)