パチンコ

大音量の店内。
真剣な面持ちの客。
笑う者、泣く者。
夢とお金が交錯する場所、パチンコ店。

今日もパチンコで負け、渋々帰路に付く。
と、車のエンジンをかけようとポケットを漁ると、パチンコ玉が1つ出てきた。
銀色の球体。
それがひどく気に入り、家に持ち帰って灰皿の中に飾った。
それから、パチンコ屋に行く度に1個持ち帰り、家に飾った。

ふと、家に帰った時のこと。
いつものようにバイトから帰り、部屋の明かりもつけずにソファーに座る。
低い月の光が、部屋に真横から差し込む。
その月明かりを見ながら思案に耽るのが些細な楽しみでもある。
と、パチンコ玉に目が行った。
灰皿を掴み、窓際に置く。
さらに、皿から出して玉を並べる。
すると、月明かりを反射してなんとも綺麗に輝いた。

いつも、人々の欲望を受け止めてパチンコ台の中を駆け回り、
店の中のダクトの中を動き回ったり、人々の手元へ転がり落ちたり。
だけど最後は機械にかけられ、店舗の中へ還る。
そんな、閉鎖空間で、ある意味閉塞的な使い方しかされないパチンコ玉。
それが、月明かりを浴びることで、こんなにも美しく輝く。
「自分は、救いの手を差し伸べた」などと悦に浸ってみる。
そして自分に苦笑いし、透明で底の浅い皿を用意した。
玉をそこに移しかえ、オブジェとしてそこに置くことにした。

変化のない日々。
都会の海に沈んだ自分。
だけど、そんな海の底であろうと、光は届くのだと思わされた夜だった。


はーい意味分かりませんねw
更新が滞ったのも、このタイトルに悩まされたからです。
や、なんか、順番どおりにやっていきたいなーって…

そんだけでした。