空は闇に満ちている。
月が煌々と照り、星達が輝いているはずだが…月明かりすら、
街の光に陰ってしまっている。
自然界の光とは思えない、けばけばしい色のネオンサイン。
強烈な光で街を照らす街灯。
目の前には、無数のダイオードで作られた電光掲示板が、
規則正しいパターンで様々な色を発している。
ただ、光るだけの固体が集合し、一つの言語を表す。
プログラムによって計算されたパターンと、
ごく短い周期で発せられるクロック信号によって、
あたかも文字が描かれ、それが流れていくような錯覚を人間に与える。
それは、文明の発達の中で生まれた、効率に特化した掲示板。
だが、俺の目にはうっとおしい光にしか映らない。
どこに行っても人工の光。
街中も、
駅も、
地下鉄も、
バスも、
この街の明かりは消えることは無いだろう。
…光の無い場所へ行こう。
月明かりと星の輝きの下、モノクロの野原、音の無い世界。
キィンという耳鳴り。時折聞こえる、風の音と草木の音。
色も音もない草原で、俺は何を思うのだろう。
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