通勤電車

家の前にある、地下鉄への入り口。
毎日、この地下へ降りていき会社へと移動する。

電車からの規則的なノイズ。
昼か夜かも分からない車内。
目に付くのは学生と大人だけ。
隣の友達と話す人、音楽を聞いている人、新聞を読んでいる人。
立っている人はいない。そこまでの乗客はいないからだ。
そして私は、そんな人たちを眺めながら、只目的地へ着くのを待っているだけ。

やがて電車は地上へ出た。
見慣れた街。
だけど歩いたことは無い。
この電車の窓越しにしか見たことの無い街。
その一軒一軒に、様々な人間模様が繰り広げられている。
ふと気づくと乗客は増え、私の視界も人によって塞がれていく。
この一人一人にも家庭があり、プライベートな時間がある。

やがて、私の目的の駅に到着した。
人の波に揉まれながら電車を降り、服の裾を直す。

今日も、表面しか知らない街へ繰り出し、日が沈むまで働く。

それが終われば地下へ帰り、寝床へと戻るだけ。