すべてが白におおわれ
空気さえも凍るような夜に
冷徹な月が
無数の星を従えて
空にかかっていた
風も色もない世界を見て
ふいに
この世界を凍らせたのは
月ではないかと思えてきた
ならば
この心も
凍らせて欲しいと不意に思った
心を凍らせれば
悲しみも
苦しみも
消せると思った
しかし
感情を捨てるということは
あの人を想う気持ちまで消えてしまう
そして
生きる意味さえ
凍らせてしまうのに等しい・・・
ふと我に返り
家路を急いだ
ある冬の夜の事だった・・・