告訴・告発
刑事で相手を訴えるということは、その相手を罪に問い、刑務所に入れるなどの処罰をしてもらう為にすることです。そして、この相手を訴えるやり方は、@告訴、A告発の二つがあります。いずれも裁判所ではなく、警察か検察庁にすることになっています。
1「告訴する」
@ 告訴とは?
告訴とは、犯罪によって被害をうけた者が、訴えようとする相手がどのような犯罪を犯したのかという犯罪事実と、その相手を処罰してもらいたいという意思を警察や検察庁に申し出ることです。この「相手を処罰してもらいたい」という意思を申し出る点で、単なる被害届と異なるものです。
A 告訴することが出来る人は?
犯罪による直接の被害者(ex.殴られた人、詐欺された人)が告訴できることはもちろんですが、被害者が二十歳未満の未成年の場合には、法定代理人である親(この場合は民事と違って、父又は母の一方だけでよい)が子供の意思に関係なく単独して告訴できます。また、直接の被害者が死亡したときは、その配偶者、直系の親族(親・子供・孫)、兄弟姉妹が告訴できます。ただし、死亡した被害者が明らかに告訴しない意思である場合は除きます。
B いつまで告訴できるか?
T 一般の事件についは、告訴の期間の制限がありません。
ただし、犯罪が時効にかかってはどんな悪い人間でも処罰できないことになるので、少なくとも
犯罪の時効が完成する前にしなければなりません(ex.詐欺、窃盗、傷害などは公訴時効が七
年となっています)。
U 親告罪(ex.強姦罪、名誉毀損罪)の場合は注意が必要!!
親告罪とは、告訴が無ければ絶対に処罰することが出来ない犯罪です。親告罪の場合、い
つまででも告訴することが出来るわけではなく、「犯人を知った」ときから「六ヶ月」以
内にしなければならないことに注意してください。「犯人を知った」というのは、犯人が
誰であるかを知った日で、犯人の氏まで知る必要はないことにも注意して下さい。
また、「六ヶ月」とは、例えば犯人が一人である場合は、その犯人を知った日の翌日から起算し
ます。
従って、六ヶ月を過ぎた告訴では、もう犯人を処罰することが出来なくなります。
2「告発する」
@ 告発とは?
告発とは、告訴をすることが出来る者及び犯人以外の者が、警察や検察庁に対して、相手がどの
ような犯罪を犯したのかという犯罪事実と、その相手を処罰してもらいたいという意思を申し出
ることです。
A 告発できる人は?
誰でも犯罪があると思うときは告発することが出来ます。
B いつまで告発できるか?
告発は、親告罪の告訴とは異なり、期間の制限は無く、犯罪の時効完成まで出来ます。
3「告訴」、「告発」のやり方
@告訴状・告発状を作成するには?
告訴、告発は、書面又は口頭で、警察では原則、犯罪捜査をしている警察官に対してします。
検察庁では検察官に対してします。
通常は「書面」でするのが一般的です。
書面でする場合、誰が、誰を、いかなる犯罪事実で、どこに告訴・告発するかということが分かるよ
うに記載します。
犯罪事実としては、以下の六項目を記載することになります。
@ 何人が(犯罪の主体)
A 何時(犯罪の日時)
B 何処で(犯罪の場所)
C 何人に又は何に(犯罪の客体)
D いかなる方法で(犯罪の手段・方法)
E 何をしたか(行為及び結果)
しかし、上記の項目を完全に記載しなくても構いません。
なお、警察では控えを要求しますので、告訴状・告発状や証拠書類は、各二部提出して下さい。
A告訴・告発は何処の警察や検察庁にしたらよいか?
イ. 告訴・告発をしようとする相手の住所・居所を管轄する警察や検察庁
ロ. 犯罪が行われた場所を管轄する警察や検察庁
4告訴・告発する場合の注意点
告訴・告発するということは、要するに相手を処罰する為にすることですから、その相手が悪いことをして
いなければなりません。相手が悪いことをしていないのに、悪意をもって悪いことをしたといって告訴・告
発をしてはいけません。もしも、何も悪いことをしていないのに刑事処分を受けさせる目的で虚偽の事実
を申告して告訴・告発すれば、告訴・告発した者の行為が「虚偽告訴等の罪」となり、三月以上十年以下の
懲役として処罰されることがあります。
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