自作スピーカー製作
さて、スピーカーを作る道具の紹介やスペックの読み方等は自作スピーカー研究室で説明しているのだが、製作の流れというのはそういえば紹介していなかった。今回は写真を数枚用意して実際の製作までの流れを簡単に書いてみようと思う。ここで紹介している製作方法は私自信のやり方ですので、必ずしもこの通りに製作をするという必要はありません。
1.スピーカーの設計
ここで紹介するのは車載用スピーカのBS−07。バスレフタイプのスピーカーで話を進めて行く。今回は車載用スピーカーを製作したのでスピーカーユニットの割に小さめの箱が出来上がるだろう。
2.設計図を書く
どのようなスピーカーを作るか考えて設計図を書いてみる。この書き方が正しいかは分からないが、ひとまず自分が見て分かる物を書けばほぼ問題ないだろう。図だけでは読み取れない内容も横に軽く書いておけば、けがき図を書く時に楽になるだろう。設計図を元に次はけがきをするのだが、板の厚さ(今回は9mm)も頭に入れておかないと、完成した時には隙間だらけになるので注意が必要だ。いくら慣れていても、板を沢山使うスピーカーを製作する時は慎重に行う。
(左図・・・設計図)
3.けがき図を起こす
製作に必要な板の長さや、それが何枚いるかを書く。設計時に数値を間違ったりしてしまうと製作中に長さが合わない等のミスが生じるので設計は慎重に行う。また使用する単位はmmが一般的らしい!?けがき図をお店に持っていき店員に見せても時々mmだと知らない人もいるので、隅にでも単位=mmとでも書くと見やすくなる。
スピーカーは通常L・Rの二つ必要なので板も2枚分いる事に注意する。
(左図・・・けがき図)
4.板の切断
けがき図まで完成したら、合板の切断にうつる。すでに余った合板等があれば、それをのこぎりで必要な長さだけ切断すればOK。もし合板が無い時は近くのホームセンターでも行き購入する。場所により値段は違うが、私の所では3×6合板(1800×900)の板圧9mmの合板だと2000円前後だった。
お店によってはカットサービスをしている所もあるので確認する。カットしてもらえるならカットしてもらった方が切断時のギザギザやまっすぐ切断できない、等のトラブルが回避できる。また、ユニット取付部の穴もあけてもらえるようだったら同時にお願いする。
5.接着作業
ここまできたらついにスピーカーボックスの接着作業ができる。必要な工具(木工用ボンド、はた金、そえ木、濡れ雑巾等必要と思われる物一式)を全て準備したら接着作業に入る。設計図を見ながら間違いの内容に接着をする。ボンドを塗布し板と板を張り合わせたらはた金で固定して1時間程度まつ。はた金が沢山あるようであれば、同時に2〜3箇所の接着も可能だ。
また、はた金で圧着するとボンドがはみ出てくるので、それは濡れ雑巾で綺麗にふき取る。透明にはなるが、跡が残り、塗装する時は、その部分だけ塗料がつかないからだ。どうしてもはみ出たボンドが拭き取れない時は、歯ブラシでこすると綺麗に取り除ける。もし乾いた後に気がついた場合等は紙やすりで研磨すれば大丈夫だ。
はた金で固定する時の注意点として、写真左のようにはた金で固定(締める)時には青い丸で囲んであるようにそえ木を置いてから固定する。直接固定すると、圧力で板がへこむ。また左右2箇所、もしくは3箇所で固定するわけだが、全て均等の力で圧着する。圧力がばらばらだと木が歪むからである。はた金で固定するときに向きも同じにする。
スピーカーの内部に隙間等ができると、そこから空気が漏れ不快な音を出したり、密閉箱等ではきちんと密閉できない、等のトラブルにつながるので、内部からボンドを流しておく。(左図参照)
6.バッフル板加工
バッフル板の加工と書いたがバッフル板とはスピーカーを取り付ける板の事。バスレフではこのバッフル板にダクトがついている事もある。
もしホームセンター等でスピーカー取付穴等のカットをしてもらえない場合は自分で作業する必要がある。接着中等は夏場で1時間、冬場で1〜2時間程度でだいたい固定できる。この間にバッフルの加工をしたり、バスレフダクトがある場合はダクトを接着したりする。私の所では円形のカットはしてくれないので、接着中に行う。
手順はいたって簡単。写真左のように、のこぎりが入るくらいの穴をキリであける。のこぎりはまわしのこと言われる、小型のこぎりが使いやすい。(詳しくは自作スピーカー研究室のスピーカーボックス製作に必要な物に記載)
また手作業の場合は円を少し小さめにしてカットする。後は紙やすり等で削って微調整すればいいからだ。大きすぎるともう一度初めから作業をしないといけなくなるので、かえって時間がかかってしまう。
手作業とは思えないくらい?きれに切断できた。切断面はスピーカーが埋まるので結局は見えないので、そこまで綺麗に切断する必要はない。また、電動ドリルに取付して円をあける工具が販売されてあるのでそれを使うと簡単に穴があけられる。ホールソーと言う丸い刃がついていてサイズ固定の物と、ホールソーとは違い任意にサイズを変えれる2種類があった。
7.最後の板を取り付ける
少し書き方が悪かったかもしれないが、私の場合は加工等の関係上バッフル板を最後に取り付けるパターンが多い。いつも通りに接着をするだけなのだが、板全体を押すように圧着したいので、下にそえ木でもあててから、バッフル板の上に重りをのせる。
これは少しやり過ぎのような気がするのだが(^^;; 確信性は無いが、全体に均等に力を加える事で板の歪みもある程度補正されるのではないかと思いここまでする。やり過ぎると板が割れる恐れもあるので適度に・・・。ちなみに私はだいたいこの状態で2時間程度放置して圧着させている。
8.仕上げ
接着が全て完了したらひとまずボックスは完成という事だ。塗装するなら、これからとのこを塗布して・・・と塗装の工程に入るのだが、今回はそこまでやる元気がなかったので、粒度の高い紙やすりをかけて終わりにした。(専門用語で空研ぎと言うらしい)
ひとまず360番などの紙やすりを用意して全体を研磨する。角や切断面等、怪我をする恐れのある所はできるだけ丁寧に削る。もし、ボンドの拭き忘れや拭き残りあった場合、塗装しなくて気ならないのであれば、そのままでいいのだが、気に入らない場合は少し粒度の低い物で研磨する。その後は360番等の目の細かいやすりで研磨をする。以上でボックスが完成する。巣箱みたいになっちゃいました(笑)
9.配線・取付
ボックスが完成したら早速スピーカーを取り付ける。通常は赤色がプラス側、黒がマイナス側(アース)となる。逆相接続といってスピーカーの取り付け位置やセッティングの一つとして逆に線をつなげる場合もあるが、通常はそのまま取り付けすればいいだろう。
配線すると写真左のようになる。スピーカーに接続する時は通常は半田ごてを使うのだが、マグネットに半田ごてが引き寄せられるので注意して配線する。
半田付けが終わったら、後はボックスにスピーカーをつけてネジで締めれば出来上がり。後はアンプにつないで音を聞くだけだ。
全ての作業が完了した所。一般的にはターミナルというアンプの線をスピーカーに接続するための接続端子を使うのだが、今回はバスレフダクトから線を出した。今回は板厚9mmでターミナルも使えたが、30mm等になるとターミナルが取り付けできなく、取り付けする場所だけ板を薄くする必要がある。音質にこだわれば付けない方がいいらしい。便利なので私はよく使っている。