位相反転形(バスレフ)スピーカー


位相反転形(バスレフ)のスピーカーは自作をする中では、手軽かつ簡単に製作できるでしょう。低音を増強するために丸や四角のダクトをつけたエンクロージャー(スピーカーボックス)です。
音波を空洞(エンクロージャーの容積)と筒で共鳴する現象を利用したもので、ユニットの背面からの音を空洞とダクトで共鳴させ、低音域を増強しています。
密閉形に比べて低音が得やすいので、ウーハーの追加などの必要がないでしょう。


位相反転形スピーカーの特徴


バスレフ形スピーカーは、ある特定の周波数だけ位相が反転します。スピーカー背面からの音が、2分の1波長だけ遠回りして前面から放出され、本来のユニット前面からの音と重なって、重ならないときに比べて強い音になるわけです。(図1参照)
これは、空気の押し出しと引き戻しを例に考えると分かりやすいと思います。前面で押し出す時というのは背面では引き戻しとなりますが、2分の一波長だけ遅らせると振動が180度(*1)ずれることになります。結果的に背面からの成分も押し出しとして前面に届くわけです。

*1 1波長のとき360度として計算します。

このように動作を行わせるためには、バッフル板に穴をあけ、背面からの音をその穴に導けばいいわけです。ですが、ただ穴をあけただけではスピーカーから直線距離で音が割り込み2分の一波長の値が短くなります。そうすると、強調される周波数が高くなってしまうので、ダクトを使用して遠回りしたものを もらうようにすれば、周波数を低く抑えることができます。(図2参照)

図1図2


このように説明では簡単なのですが、実際はエンクロージャー内の音圧分布などが影響するため、スピーカーユニットとエンクロージャーを別々に用意して、セットする場合はダクトの位置が最適になるようにするため、色々と実験をする必要があると思います。そのときはダクトの長さが変えられる「可変ダクト」が便利でしょう。
このようにユニット背面から出る音をうまく利用し、低音の再生能力を高めるのがバスレフタイプのエンクロージャーなのです。
以上のように今までの説明は前面ダクトの事ですが、背面ダクトのバスレフも存在します。しかし、背面ダクトでは、後ろの壁が大きく影響しますので、実際は音がこもらないようにする「風穴」の性格の方を期待して、軽く利用される程度の事が大いらしいです。


エンクロージャーの設計


エンクロージャーの大きさですが、ユニットによってそれぞれ適正な容積が決まっています。適正な容積の方がもちろんいいのですが、多少変わる程度なら問題はあまりありません。エンクロージャーの大きさですが、パーツ屋等で入手した場合特性表がついてない事が多いので、目安として・・・。

ユニットを裸の状態で鳴らしてみて低音の出具合を調べる。

裸でもよく低音を再生した場合そのユニットは"Qo"が高いと予測されるので、低音にピークがでやすくなります。少し大きめのエンクロージャーがいいかもしれません。また、基本的にバスレフは密閉型の1.2倍〜1.5倍の容積で作るといいと思います。

エンクロージャーの容積も大切ですが、ダクトの面積も重要なポイントです。このダクト大きさで共振させる周波数が変わってきますので、注意が必要です。無難な方法としては特性表に載っている通りにするといいですが、自分で共振周波数を設定する場合は以下の計算式より求めることができます。

バスレフダクトの共振周波数(fd)

Fd=160√(L1*L2/Vc(L3+r))

L1=角型ダクトの幅(cm)
L2=角型ダクトの高さ(cm)
L3=角型ダクトの長さ(cm)
r =角型ダクトの面積を円に換算したときの半径(cm)
Vc=キャビネットの実効内容積(リットル)

またrの計算方法ですが、π*r2(円の面積式)=L1*L2で求める事ができます。
ダクトの大きさですが、ユニットによりそれぞれ異なってきますが、振動板の面積の2分の1以下に設定すればいいでしょう。あまり大口径のダクトをつけると、f特はなだらかな山になり広い周波数に効く事があるようですが、下手に大口径のダクトをつけるとぼこぼこの音になりやすいので、難しいところです。