特性表について
ユニットを買うときには、普通は特性表が付いていますが、パーツ屋などでは特性表が無いときも当然あります。仮に特性表があっても、自作初心者などには意味が分からない部分もあると思います。簡単に特性表に書いてある用語の説明をしておきます。
最低共振周波数(fo)
通常エフゼロと呼ばれるもので、Hz(ヘルツ)で表示されています。低音を再生するときの限界の数値を決める要素として見ることのできる数値です。"fo"は最低共振周波数と呼ばれるように、そのスピーカーの最も低く共振する周波数ということになります。スピーカーの"fo"は、振動板そのものの共振とは異なり、振動する部分の等価質量"mo"や、それを支えるエッジやダンパーなどの要素が含まれた振動系が、前後に自由振動している周波数と見なすことが出来ます。
注意点として、"fo"はスピーカーを実際にエンクロージャー等に取り付けた数値ではなく、裸で鳴らした状態の数値であることです。スピーカーをエンクロージャーに取り付けると、内部の空気は、空気バネの役割を持ち、"fo"よりも上昇することになります。エンクロージャーの設計の際、この"fo"の上昇をどの辺りに設定するのがポイントです。
等価質量(mo)
振動系の質量とその振動板にかかる前後の空気の抵抗(付加質量)を加えたものです。つまりスピーカーが実際、前後に動いて音を出すとき発生する実質的な質量です。空気の質量も加味されているわけです。質量の大半は振動系の質量です。単位はg(グラム)で表示され、エムゼロと呼びます。
実行振動半径(a)
実行振動半径とは、一般的に呼ばれている口径と異なり、そのスピーカーユニットが実際に音を出すために動いている主な部分(コーン紙)などの半径をしめしています。エッジの部分も、一部含まれている場合もあります。
Qo
キューゼロと呼ばれるこの値は、スピーカーのエンクロージャーを設計する上で重要な要素となります。この値は"fo"における共振の鋭さ(共振鋭度)を示している値です。この数値が大きいほど共振鋭度が鋭くなります。通常、1辺りまでが良いスピーカーとされています。だいたい、"Qo"が0.6程度の物ならバスレフに、0.3以下ならBH(バックロードホーン)に向いているといえるでしょう。
インピーダンス
スピーカーの入力端子インピーダンスを代表する値です。インピーダンスは一部のものを除いて(例えばRP方式ツィーターなど)入力周波数によって変化します。スピーカーのインピーダンスは"fo"以上の周波数で一番低下したところの値を公称インピーダンスとして表します。単位はΩ(オーム)で表されます。
出力音圧レベル(S.P.L)
スピーカーの能率を示します。簡単に言えばこの数値が大きければ同じ入力で大きい音がでるというわけです(^^:: アンプから1Wの入力を加えてスピーカーの前方軸上1mの位置でどのくらいの音圧(音の大きさ)が得られるかを示しています。数値が大きいほど、同じ入力を加えたときに効率よく音に変えていると考えることができます。効率のよいスピーカーだと、アンプの出力が少なくても大きな音が出せるためアンプにかかる負担も少なくてすみます。
たとえば、90dBと93dBのスピーカーユニットを比較した場合、90dBのスピーカーに10wの入力を加えたとき、93dBのスピーカーでは、5wの入力で同じ音量を得ることができます。フルレンジ一発で使う場合は、特に問題がありませんが、フルレンジ、プラスツィーターやウーハーとの2way、3wayを考えるとき、組み合わせるツィーターは基本としてウーハーよりより数字の大きい(高能率)な物を選びましょう。単位はdB(デシベル)で表されます。
推奨クロスオーバー周波数
マルチウェイ用のスピーカーユニットに記載されている推奨クロスオーバー周波数は、中高域用のユニットと低域用のユニットでは、注意点が異なります。特に注意すべき点は、ツィーターやドライバーの場合です。中高域用のユニットでは、再生能力を超えた低域の信号が入力された時、ユニットは破壊(ボイスコイルの焼失等)されます。この破壊を避けるためにも、推奨クロスオーバー周波数は非常に重要な値になります。推奨クロスオーバー周波数は、中高音用であれば、「この周波数以上でお使いください」また、低音用であれば「この周波数以下でお使いください」という意味が含まれます。
ウーハーなどの低音用の場合は、推奨クロスオーバー周波数を超えた信号が入力されても、中高音用のようなユニットの破壊は起きません。低音用、中高音用いづれの場合も、再生される音の事を考えて、推奨値以上や以下で使用する事が望ましいでしょう。