おらが短歌の手帳2004年版
祝島は万葉集に載っている。おらも短歌を作って行こう。目標2004年に100首。

1 瀬戸の海 光散りばめ 初春に 寄せるさざ波 祝島磯

2 山道に 静かに赤い 一粒の 冬の苺の 心染み入る
 (のんのさんのフユイチゴへの感想から出来たもの)

3 とつとつの 漁師の声や 大工小屋 春の日射しの 誘われて入る
 (正月に船大工小屋に行って、集まっている漁師さん達の話を聞いた時のもの) 

4 若水を 枯葉ふみふみ 汲みとりて 珈琲を涌かす 島の正月
 (船大工小屋できれいな水が涌くという話を聞いて汲みに入って珈琲を涌かして飲んだときのもの)

5 祝島 明日は凪かと 尋ねる子 明日は凪だと 応えて祈る
 (明日一緒に釣りに出る約束をした後で子供が尋ねたときのもの)

6 コージロの 海に下ろした 釣り糸を 染める夕日は くれずともよし
 (「くれずともよし」というのは良寛さんの歌に良く出るように思う)

7 夏さりて ヒヨドリの舞う 瀬戸の海 鯛もさわぐと 島人の言う

8 夏先に 絵を描く人の 祝島 日の出の瞬間は 筆置き拝む
 (松田正平さんを思い浮かべて)

9 あたたかに 漂う光を 目に溜めて 年月を経て 祝島現ず
 (松田正平さんを思い浮かべて)

10 空澄みて 灘の向こうに 由布岳の うっすらと見ゆ 島の初春

11 国東を 離れて浮かぶ 姫島に 赤い夕陽の 空染めいぬる

12 祝島 家々の屋根の 重なりて 降り積む雪や 光まぶしく

13 白雪や 海とおかとを 降り分けて 島の家並み 新たに描く

14 中波止を 出ていく船に 二人乗る 描かれた絵の 海のぬくもり

15 石垣を なでて吹く風 祝島 夕暮れの時 ゆるやかにいく

16 ひさかたの 光あふれる 瀬の口に 船を進めて 春を楽しむ

17 山道に ひさかたの光 さし下りて くぬぎの落ち葉 踏む足の音

18 枯れ草に ねそべり仰ぐ 木々の間に 青空のなかに みちたりておる

19 仰ぎ見る 木漏れ日がさす 木々の間に 小鳥の影や そのそばに春

20 草臥れて 石に腰掛け 見る木々の それぞれに立てる 草臥れもせず 

21 島の端に 暮れる夕陽の ゆるゆると 照らしてぬくし 瀬戸内の海

22 島の端に ゆるゆる暮れる 夕映えに 渡る海鵜の 一日を終えて