おらが夏休みの課題 「彦島の調査」2005年夏
                                   
1 目的  沖浦から近い彦島は、素晴らしい風景をつくる大事な島である。その島について、余り知らないので、調査したい。

2 調査の方法 
 2万分の一の地図で予備調査をする。
 大島町誌で調べる。
 小船で渡り調べる。
 長さなどはロープで測る。
 生物については図鑑で調べる。
 海底の様子は水中眼鏡を利用する。

3 調査の内容  彦島の地理、地質、生物、海底の様子などについて調べる。

4 調査の結果        
(1) 彦島の地理
 位置 北緯33度53分   東経132度11分 
 横見集落の南の突端より約600m
 周囲(満潮時)及び標高
 北側の島 周囲約160m(300歩)、標高約12m 
 南側の島 約110m(216歩)、標高約10m

(2)地質 すべて領家片麻岩帯の岩石で、北側の島は砂質片麻岩及び泥質片麻岩が主体である。南側の島は花崗岩主体で質片麻岩も見られる。 

(3)植物(2005.8.20調査)
 樹木 北側の島にクロマツ約15本、最大で樹高約10m、径約20cm。幼木もある。最も多いのはトベラで約50本。ほとんど同じくらいのグミもある。その他、ネムノキ約10本程度、ハゼ約10本、サクラ1本が見られた。南の島はトベラが主体である。植物の総数は北側の島の方が多い。
 潅木 ノイバラ数10本が岩場に見られる。
 草本 キノクニスゲ、ボタンボウフウ、カワラヨモギ、ハマホッス、オオアレチノギク、ツルナ、ススキ、スイバ、ノジギク、ハマデシコ
 コケ類 (ヒノキゴケ){()の植物は判らないので、おらが勝手に名前をつけている。判り次第修正する予定である。}
 海藻 トラノオ、(打ち上げられていた海草)アラメ、テングサ
 ツル植物は見られなかった。

(4)動物(2005.8.20調査)
  貝類 カキ(南側に特に多く付いている。)
   魚類    
    節足動物 フナムシ、カニ、カメノテ、フジツボ、
    環形動物 ゴカイ
    哺乳類 ドブネズミ

(5)海底のようす 砂底に岩礁が混在している。東側の砂浜側には大きな岩礁は見られない。

(6)準備物
  小船、ロープ、地図のコピー、筆記具、カメラ、ナイロン袋、新聞紙、ハンマー、水中眼鏡、ものさし、ナイフ、飲み物、食料、めがね、ルーペ

5 考察
 国土地理院の地図では1つになっているが、満潮時には二つの島に分かれる。
 風の強い時はしぶきがかかるであろうから、現在見られる植物は塩気に強い植物ばかりだろう。以外であったのはハゼノキがあることである。ハゼの実は、風で飛んでくるとは考えられないので、鳥が運んだと思われる。ロウをとる実だから鳥は食べないと思っていたが、好む鳥もいるのだろう。マツが最も樹齢が多いと思われるが、そのマツで20年くらいである。さまざまの樹齢のマツが見られるので20年〜30年くらいで世代交代しているのであろう。風や、地盤などの条件が、それ以上の成長を阻んでいると考えられる。樹木の種類が6種類であることからも、植物にとってはかなり厳しい条件下にあると思われる。大島の海岸近くによく見られるハスノハカズラなどのツル植物は見られなかった。
 哺乳類はドブネズミの成体が1匹見られた。この島で生息し続けていることと思われるので、雌雄何対かいると考えられる。はじめは海を泳いで渡ってきたのであろうか。 

6 今後の課題
   彦島は徐々に侵食によって小さくなっているはずである。これから樹木の種類や総数が減ると予想される。逆に以前は樹木の種類や総数が多かったと思われる。どのような推移をたどるか、継続調査をしてみたい。また、ツル植物の存在は島の大きさと関連がありそうであるが、どの程度の大きさの島まで見ることができるのか、調査したい。
   彦島の地形は、戸田と横見の間の岬と、また室津半島側の黒崎とつながりがあると思われるが、地質的には、特定の岩石のつながりは無く、少しずれていると思われる。確認ができるか調べてみたい。
   カキはなぜ南側に多いか。ハゼの実を食べる(運ぶ)鳥はいるか、いればそれは何か。なども興味がある。