(24)「雪振り袖魚」と「鮭ガシラ」



雪振り袖魚


鮭ガシラ


鮭ガシラについて

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−「魚類/硬骨魚類/アンコウ目…/さ&サ行/『サケガシラ』」

1964年に出版された名著『山陰の動物誌』(上田常一著 今井書店)に「故田中市郎の『珍魚の誉』という本」という章があり(正確には『南珍魚と北珍魚』),「イワシを追いかけて深海から浜に打ち上げられた」ということが書かれている。
という記述があります。



「振り袖魚」
竜宮城からの使者 深海魚 フリソデウオ

 萩博物館・萩学展示室では,近海の代表的な魚介類のはく製・模型・写真の展示を行っています。
 その中のおすすめ展示物の一つが,深海魚「フリソデウオ」です。フリソデウオはアカマンボウ目フリソデウオ科の魚で,ふつうは水深200〜800mの深海にすむため,人目につくことがほとんどない珍魚です。ごく稀に,全国各地で漁網にかかったり,海岸に漂着して話題になることがあります。
 この魚を,約60年前に萩で採集し,保存していた人がいました。それが,昭和初期の萩の博物学者・田中市郎(1877〜1946)です。田中氏は当時,毎日のように魚市場などに通い,珍しい生物の発見に努めていました。その過程で入手したものと思われる,長さ20cmのフリソデウオ。田中氏から市に寄贈されたその魚をはく製にしたのがこの展示物です。現在,フリソデウオのはく製が展示されている博物館は全国でも数館あるかないかといわれる貴重なものです。
 なお,萩近海では昨年にもフリソデウオを含む深海魚が続々と浅い場所で目撃されています。萩博物館は,今後もそれらの資料や情報を収集し,積極的に公開していきます。

   【市報はぎ 平成17年(2005)2月1日号】(萩博物館研究員 堀成夫氏)
 2005年1月16日〜3月31日,「萩博物館」にて「萩の海 新発見・再発見2004」が開催され,この「ユキフリソデウオ」の写真が,展示されました。〔「ナガユメタチモドキ」の剥製と写真,「アカナマダ」の剥製と写真も〕
フリソデウオが捕獲されました
 
山口市のrenjiro様より,メールと写真をいただきました。

「2006年5月4日(木)午前11時ごろ,萩明神池入り口の防波堤で10cm足らずのフリソデウオを子供たちが網で捕獲しました。」
捕獲された場所は,
こちら
萩博物館で,フリソデウオと確認されました。

renjiro様 お知らせありがとうございました。
西日本新聞と中国新聞に記事が掲載されました。
〔写真はrenjiro様の承諾を得て掲載しております。〕


=2006/05/11付 西日本新聞朝刊=
ギョギョ!?深海魚 萩市の港
 テンガイハタ、フリソデウオの幼魚 小学生と釣り人発見

 今月に入り,萩市で釣り客が深海魚のテンガイハタとフリソデウオの幼魚を相次ぎ発見した。県周辺の日本海で,この種の深海魚の幼魚が見つかるのは珍しいという。

 テンガイハタは3日、同市東浜崎の萩商港で、同市の釣り人が、岸壁で釣りをしていて捕獲,萩博物館に届けた。全長14.3センチ。テンガイハタは通常,200メートルより深い海に生息。主に千葉県から高知県沖にかけて活動する。

 フリソデウオは4日,同市越ケ浜の夕なぎ港で,釣りに来ていた山口市の小学生3人が,水面近くを立ち泳ぎしているのを捕らえ,写真を同博物館に持ち込んだ。全長8,9センチ。通常200メートルの深海にすみ,太平洋の熱帯域で暮らす。同博物館の堀成夫学芸員は「2003年ごろから、県周辺の日本海で深海魚が出現するケースが目立つ。何らかの海洋の環境変化が考えられ,継続的な調査が必要だ」と指摘している。
〔紙面には実名が掲載されていましたので,下線部を一部改変しています。〕
=2006/05/19付 中国新聞朝刊=
岸壁で「ぎょ」 深海魚
 やまぐちの児童3人 萩でフリソデウオ幼魚発見

 萩市内の岸壁で釣りをしていた小学生3人が,深海魚「フリソデウオ」の幼魚を見つけ,写真に収めた。県内の日本海沿岸で幼魚が確認されたのは初めてという。
 3人は萩市越ヶ浜で小アジなどを釣っていた。餌をまき,集まったカワハギを捕っていたところ,クラゲのようなものが泳いでいた。「目がある」と1人が気付き,網ですくい揚げた。体長八〜九cmで,銀色の体に黒い斑点。「穴が開きそうなほど薄っペら」な体形は,バケツの中で波打つように泳いだという。
 珍しい深海魚どは知らず,「食べられそうになかったから」と,記念写真を撮って海に帰した。帰宅後,母親がインターネットで調べて「フリソデウオの幼魚と判明した。萩博物館によると,フリソデウオは200m以上の深海にすみ,成魚は体長1mになる。県内では2003年から目撃情報が相次いでいるが,体長は17cmから60cmで「幼魚の報告例は記録もない」(堀成夫研究員)という。
 「逃がすと,ゆっくりと深く泳いでいった。」「もう見られんかと思うと、もったいなかった」と子供たちは残念そうだった。(伊豆田有希)
〔紙面には実名が掲載されていましたので,下線部を一部改変しています。〕

【解説】
 5月5日夕方に,renjiro様(上の写真を撮影)より田中博物館 Webへ5月4日萩明神池入り口の防波堤で10cm足らずの振り袖魚を子供たちが網で捕獲しました。デジカメでの撮影ではありませんので写真をお送りできないのですが 珍しいものなのでしょうか?」とメールをいただきました。
 その後,萩博物館と連絡をとり,「フリソデウオの幼魚」であることが確認されました。

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