祝島のことば 方言 植物に関する方言 動物に関する方言
祝島での潮や天候に関する言いまわし 風の呼び方

方言 ・ザ行がない。「象さん」は「どうさん」
・アクセントに独特のものがある。「一つ」はひにアクセントがある。
・形容詞の2字目が「あ」の列の時伸ばす。「赤い色」は「赤あ色」、「狭い道」は「狭あ道」 
      

あいご 細い道
あーら 「うーら」と似たような意味。男も使う。
あかうそ 真っ赤なウソ
あしこ あそこ
あびき  豊後水道沖にある台風によるうねりのことで、海岸に大きな波として打ち寄せる。
いぎ 魚の骨 
いーらいーら 子どもがじらをくる様子 (アクセントは伸ばすところにある)
いぬる 帰る
いび ゆび 
いびつけな 取るに足らない
いろいぎょうな いろいろな
いわしゃみ 鰯網
いんなのお いや、そうじゃない 
うーら 「おやまあ」、というような、ちょっとあきれた女の感動詞
うがす 大漁する
うぐりこむ もぐりこむ
うちら 私ら
うっさらばう うつむけにころぶ
うとうずら(すら) まったくのすら(収穫なし)
うとうばか 大馬鹿
うとろ 空洞
エビ漕ぎ 底引きで餌のエビを採るこを採ること
おおがたをふる うがあたとき(大漁のとき)両腕を曲げて頭の周りを振る動作
おおばちなあ もったいない
おかがわ  おきがわ 陸側  海側
おごめる 増やす
おんまあ 私は
かーくろーしい のどが渇いていて食べ物が通りにくい状態
かかり釣り 船を2丁の錨で泊めて撒き餌をしながら釣る一本釣り漁法
手うちかけ 肩胛骨のこと
かちでいく 徒歩で行く
からっぱち 身が軽いこと
きっきんせちょる 生き生きしている
ぎっすい 一流
きなる 調子に乗ってはしゃぐこと
きばをとぐ 気合いを入れてじゅんびをする
きびわり 気持ちが悪い ものを貰ったときなどは「有り難い」という意味も含む。 
きませえ おいでなさい
くぎうち 三寸釘くらいの大きい釘を打って、倒したら穫れると言うような遊び
くりょうよ 
くれませえ
ください
けっちょう かくれんぼで鬼のまもっている所に「けっちょう」と言って、さわると勝ち。
ごうをいる 叱言を言う 苦情を言う
こおよ おいでなさい
 ここてがえい 気持ちが良い 
こぶる 海の浅いところを歩く
こりょう あなた(呼びかけ)
こんびい 小さい(人に対して言うことが多い)
こんないと こいつ(「この人」の意味だが見下げて言う時使う。)
さあもうしい 淋しい。
さする なでてやること
さでる 海の底に落としたものを引っ掛ける
さどうだ (病気などが)おさまった
 しご  道具やものををきれいにしたり、次に使えるように整えたりすること。
じまあ、じまたあ
しまったれ
けち
しょろうがなあ 何となく元気が出ない
しわあ 遅くまで粘って働く
じら 自分の体調や周りの対応に不満を持ち、聞き分けのない言葉や動作で表すこと 
しんきな 退屈な
すくれる 寒い目にあう
すっぱらむぎ 麦だけで炊いた飯
ずんずら(づんづら) 素っ裸
ずんぶりいっそう こぼれるくらい一杯
せがん 混雑しない
せぐ 混雑する
せせる 人にかくれておいしいものを作って食べようとする 
せんなあ しんどい  疲れた
そびく・そびきだす 引きずる・引きずり出す
たいがいなのお 厚かましいなあ というようなあきれたような気持ちを表すことば
たたい 満潮時
 たつつ  いろいろ考え工夫、工作する
だまし 突然に
ちゅうつう
意味が通じなかったり、先が見えないことを言う。 「ちゅうつうかんのん」という言葉もあるという。言っても意味が通じずポカンと観音様のような反応を言うのだろうと推測。「ちゅうつう」は最近まで知らなかった言葉。
濃霧で先が見えない状態も言う。
ちゅうれん ひろい出窓のつくり
つえぬき 斜面(崖や石垣)の崩れ
つらにく 憎たらしい
つんべえかえり 前転
とうぼら 身が重いこと(カボチャのことをトウボラといい、高いところが苦手な人を言う)
ねりける  なまける 
ねりけ なまける人
はーら おやまあ、と言うようなちょっとあきれた男の感動詞
はんむぎ 米と麦が半々の飯
びいびい 肩車
ひとどい 干潮時
ひどろみ 干潮時に潮の流れがゆるやかになる頃
ふかや 筋肉痛
ひかりなぎ 凪の強調
 ふくをあげる 息を切らす 
ぶっつけ めんこ
ふなつでいく 船(押し船)で行く かちで行くと対の言葉
ほぐれる すね気味に怒る
べたなぎ 凪の強調(油のようにゆったりした凪)
ほうていく 這っていく
ぼーけー おどけもの  面白いことを言う人
ほげる 石などがもろくなって欠けること
ぼったー 太っている人
ほそい 小さい。(細い意味ではない。)
まあの どれどれ
マーブル 球形のガラス球。球形のガラス球で遊ぶこと
むくらこくら わかっているのかどうかとらえようのない態度
むさあ 長持ちがする様子
めすらんま あっという間
めんめ 自分のこと
もとおらん おもうようにからだを動かせない状態
やけはり やけど
やちなし いい加減 ナンセンス
やでなあ うるさく煩わしい
よばあ 夜に異性の所へはなしに行くこと

植物に関する方言

アケブ アケビ
イソバアメ マサキ
ウシビタ イヌビワ
ウベ ムベ
カアバ クサギ
カズラ クズの蔓
カタクリ ウバユリ
カタチ ツバキの実
ガラビ エビヅル
キンカ ジャガイモ
ギンツー ムクノキ
グイメ グミ
コビワ 野生のビワ
コシキ 方言か不明
サザンキョウ スモモ
サンショウ サンショ
シガラ アキニレ
シバ イタジイか カゴノキか
トンボラ カボチャ
ビャクダン ビャクシン
ヘビノマンマン マムシグサの仲間の果実
ポンポン イタドリ
マンマン トウモロコシ
ユリネ カタクリ(ウバユリ)の根
ヨノミ エノキ

動物に関する方言

アマベ ゴキブリ
アブラメ(魚) クジメ
エンコー カッパ  カワウソの可能性あり
オコーデ(魚) オコゼ
オツムギ(魚) アイナメ
オンミイ(魚) クモハゼ?
カイ セトガイ
カラッコー(魚) ハオコゼ
キスゴ(魚) キス
ギダ(魚) ベラ
クロイオ(魚) グレ、メジナ
クロゴチ(魚) ムラソイ
サザイ サザエ
サエル(魚) サヨリ
サシモ シロガヤ、クロガヤ
シマギダ、シマギー(魚) キューセンのメス
ショウリョウ アキアカネ(ショウリョウトンボ)のだいだい色の方
シンキリイ(魚) イトベラかニシキベラのメス
スナボー フナムシ
ダイジュウ コガネグモ
タバコスイ(魚) メゴチ
チョーマー ダンゴムシ
チョンギー キリギリス
チン(魚) クロダイ
デンゴ(魚) アジの子
トクモン スズメバチ
ドベ シオカラトンボ
ドンジー(魚) ダイナンギンポ
ニナ イシダタミ
ネーピー(魚) アミメハギ
ネバル(魚) メバル
ノーソー(魚) 多分ホシザメ
ハゲ ウマヅラハギ
ハデンボー(魚) クラカケトラギス
ハナアカア(魚) ニシキベラかホンベラ
ハマチ(魚) 1kgを越えるブリの青年〜成年
ヒトリンバア コガネムシ
ヒョコタン(魚) ササノハベラ
フカ(魚) サメ
フクトウ(魚) フク
フジシュウ ホウジロ
フジマ(魚) コショウダイ
ボウズイオ スナメリ
ホゴ(魚) カサゴ
ホッホー フクロウ
ミソットウ イソヒヨドリ
ムカーデ ムカデ
ムゲンソイ(魚) キヌバリ
メイボウ(魚) カワハギ
モイカ アオリイカ
モゴチ(魚) ヨロイメバル
モサ、モサバ(魚) 鮫の仲間
モハア ギンポの仲間
モンツキー(魚) キューセンのオス
ヤズ(魚) 300g〜1kg位のブリの子
ヤハギ  ヤハンドウ(魚) スズメダイ
ワイナ(魚) メバルの幼魚

祝島での潮や天候に関する言いまわし        

 「出月八合 入り中みち」 月が出る頃は 潮が八割程度満ちている という意味
「五日 二十日は 真昼がたたい」 旧暦の五日、二十日は真昼頃が満潮 という意味  「たたい」とは満潮時のこと
「九日 十日 明け暮れ たたい」 旧暦の九日、十日は 明け方と暮れ時が満潮 という意味 
「くどれの三合引き」 「くどれ」は地名で、そこは干潮になって潮が3割引いた頃にイワシが寄ってくる という意味
「春ひとどいに秋たたい」 春は干潮時に、秋は満潮時に雨が降り出すことが多い という意味   「ひとどい」とは干潮時のこと
「日傘雨傘 月傘日傘」 お日さまに傘がかかっていれば雨になり、お月さまに傘がかかっていれば翌日は晴れる という予報
「大雪降って 灘渡れ」  大雪が降り積もったときは当分凪だから、周防灘を渡るのにいい日だ という意味
「朝北(あさぎた) 夕西(ようにし)」 秋の天候で 朝が北風で夕方は西風になると、良い天気が続く という意味
「夕焼けに 鎌をとげ」 夕焼けの次の日はいい天気だから鎌を研いでおけ という意味
「朝焼けは雨となる」 朝焼けはそのうち雨になる ということ
「朝虹に 港をかまえ」 朝虹がかかっていたら、海が荒れるから早く港に避難しろ という意味
「梅雨は つい降るつい曇る」 梅雨はいつ雨が降ってもおかしくない という意味
「秋西に水桶」 秋に西風が吹くと大雨になりやすい という意味
「梅雨と土用に こち吹いて雨降らず」 梅雨時と土用には東風が吹いても雨は降らない という意味
「夜あがりは三日持たぬ」 夜分雨が上がって晴れても、すぐ雨になる という意味
「春の一日西(ひといにし)」 冬は西風の強い日が続くが 春になると大西が吹いても長くは続かず一日で終わる という意味
「寒四郎に少しでも雨が降ると、その夏には雨が降る」 寒四郎とは、寒の入りから四日目のこと 
「冬の夜雲一つない空に 星がまたたくと雨になる」 読んでそのままの意味
「冬の空に やまじ雲が動くと急に大西になる」  「やまじ」とは南西の風 大西は強烈な西風のこと
「寒や北風 冷たやあなじ 冬のやまじは西となる」 「あなじ」とは北西の風
「長やまじは大西風になる」 やまじ(山を越えてくる風、祝島では南西風に当たる)が長く吹くと、大西風になると言うことである。

    

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