おらが夏休み2004 8月

8月1日(日)雨 南風
 台風が日本海に抜け、南風が上空を吹いている。昨日からの雨が約50mm。畑にはいいうるいである。飲料水には少ないだろうが、強い風が吹かずにすんで、今朝の挨拶は「ふかあでよかったのんたー」。
 台風が過ぎて、凪の日にタコ掛けでもしようか、とリョウキチと話す。リョウキチが、ワタムラのおじいちゃんの残した箱のなかからタコ掛け用の鉤を探し出す。アジの小さいのは、五月丸のイケマで泳いでいるので、3日あたりには実行できそうだ。タコ掛け道具が二丁出来た。
 午後、裕子おばさんに続いてリョウキチも裁縫を始める。腕抜きみたいな所を作るようだ。裕子おばさんの指導で、白線をミシンで縫いつけている。おらが暇そうにしていると、裕子おばさんが古い方の剣櫂と、金紙を持って来る。貼れと言うことらしい。おらは暇ではなく、瞑想していたのだが、おらの瞑想は誰も信じてくれない。


8月2日(月)曇りのち雨 南風弱夕方ヨウイレ風の南風
 朝、五月丸にとってくれていたとも綱を繰っておく。張るときは手伝えなかったので、外す時もやらないと気が引けるので、朝便で出る前にやっておく。朝便は室津への用事。船で、「心の起源」(中公新書)を読み始める。面白い。
 夕方、櫂伝馬の練習。モイチーサアも出て漕ぐ。
今回初の漕ぎで、町の職員10人ばかりの若者が参加。顔見知りの人も何人かいて、なかなか楽しく漕げた。雨模様なので太鼓が少し心配だった。カヤックに興味を持っている町の職員もいて、これからまたまた祝島の海も楽しみが広がる可能性がある。
 週末には周南市の原君という若者がその友人とキャンプに来る予定(後でわかったが、神舞の時がキャンプで、7日は民宿泊らしい。)である。原君というのはアラスカでカヤックを漕いだりする人である。
(原君のホームページhttp://www13.ocn.ne.jp/~daiduk/ )


8月3日晴れ 凪
 朝、神舞小屋用の竹切り作業日、区ごとに人数の割り当てがある。おらは3区で、割り当ての人数には入ってなかったが、手伝いに行った。東方(6区くらいまで)は三浦湾の小田あたりを切って運んだ。竹の割り当ては東方で大60本と、一回り小さいのを60本の計120本である。西方も同じで、中郷が40本、40本。島全体で320本。余裕をみて、350本位を切ったことになる。
 午後、リョウキチとの海浜活動でタコ掛けをやってみる。型はワタムラのおじいちゃんが作ったもので、ワタムラの家解きの時出てきたのをもらっていたのである。エサはアジである。リョウキチのには一匹をまるまる付けて、おらのには片身をとった残りを付けた。二流しめにリョウキチの方にタコが来た。リョウキチ初めてのタコ掛けでの収穫である。その後1時間くらいやったが、来なかった。
 夕方、櫂伝馬の練習。初めてとも櫂をやってみる。練習前に敏坊さん達と東の浜のヒヨソイ(日よけ用)の支柱を立てる。


8月4日(水)曇りのち雨 凪のち東風のち凪
 1日の朝以後この日の昼までに60mmの雨、台風以後110mmの降雨量。
 上関への出張からの帰りに雨が降り、見えにくくなる。白井田の手前から少し小降りになり、祝島が見え始める。
 夕方には雨がほとんど上がったのでアジを釣りに出る。アジはおかず分はすぐ釣れる。夕方寄っているようだ。途中でタチに切られたので、タチを狙うがエソしか釣れなかった。今年はエソが多いようだ。ゆっくり進むと船にぶつかる音がする。とものすぐそばをぴょんぴょん飛び回る。いかにも遊んでいる風なのである。
 哲ぼんさんに6月にもらったアボカドからの種を植えて置いたのから芽が出た。


8月5日(木)晴れ 凪
 東の浜のヒヨソイの寒冷紗を、裕子おばさんとリョウキチ達ががやってくれた。善徳寺の皆さんがちょうど泳ぎに来て、手伝ってくれたようだ。
 夕方、櫂伝馬の練習。練習の後、ヨボシにアジを釣りに出た後、カミカドに行ってアカイカを狙うが、1つしか掛からず。カミカドに向かうとき、国東の左側に積乱雲が半分夕陽に赤く染まったのが見えた。
 帰りには大分空港に向かう飛行機の点滅する光が見えた。所々遠くで稲妻が閃いていた。
  


8月6日(金)晴れ 凪
 朝、寝床で「のんた」について考えて、「ねえあんた」じゃったと思いついて、掲示板に書き込んだと思ったら、書き込めてなかった。10時頃気づくと、何と哲ぼんさんは質問したときにもうそう思っていたようだ。やっぱりなあと感心する。
 昼前にリョウキチ、ハヂンを釣ったと言う。夕方、おらが夕便で帰ってきたときには水泳パンツ姿で、ちょっと興奮気味に帰ってきて、大きいチンが釣れたと言う。
 夕便のいわいで菊川画廊の菊川さんに出会う。祝島に着いて、人家の上まで行ってみる。明日の朝はそこで日の出を眺めると言うことだ。菊川さんは松田正平さんの作品を世に広く知ってもらおうと努力されている方なのである。正平さんは菊川さんをすごく信頼されていた、と何回か二人の会話の場面に接して、おらは感じている。
 菊川さんは村岡さん達と3人で来島。
 夕方、タチ釣りに出る。8匹釣れる。1匹まあまあのがいた。まあまあ満足。
 文彦君が田布施と光の境目で、チンを突いたようだ。やるなあ、と感心する。


8月7日(土)晴れ 凪
 朝、日の出を見る。菊川さん達は墓の上の方まで上がって見ると言っていた。
 少し下に雲が在って、その雲の上から出てきた。
 剣櫂の着る着物には飾りの紙を貼り付けるのであるが、今年は橋部さんが基になる下絵を考えてくれて、それをコピーしたり、裾の方の図を浜本の写真を参考にしようと浜本家に行ったりする。浜本家の主人は新太郎君でおらの同級である。行くとキミちゃん達もいて、新太郎君が麦酒をすすめてくれ、ついでに同窓会をすることも決めた。浜本君の家の座敷を提供してくれることになったのである。昼前から行って、14時近くまでいて、菊川さんとの約束に遅れそうになる。敏坊さんも13時頃来て一緒に話す。
 14時祝島一周に菊川さん達と五月丸で出発。帰ってから、長磯の小屋まで行こうと言うことになり、歩いていく。おらは途中で道路のへこみに足を突っ込み、くじいてしまう。「こんな小屋に正平先生の絵を飾ってはいけません」と言われないかと思ったら、「適当なポスターなどがあったら上げましょう」と言ってくれた。
 17時から櫂伝馬の練習。その後、タチを釣りに出る。
 タチ釣りから帰って、民宿「くにひろ」に行き、原さん達と一杯。4人連れで白井田から、カヤックで来た。一人はカメラマンの百々さん、一人は銀座から来た○○さん、宇部市に住む△△さん。銀座出身の人と一緒に飲むのは初めてだ。
 原さんは櫂伝馬を漕ぎたいと言っていた。熊の話などを聞く。 


8月8日(日)晴れ 凪
 足首が少し腫れて痛い。捻挫のようだ。
 哲ぼんさん達が、大島にキャンプして竜崎温泉に行くと言うことなので、おらも五月丸で行って、哲ぼんさんの肩を叩いてビックリさせてやろうと思ったけど、見つからなかった。
 竜崎温泉に3時間くらいいて帰った。のんびりと白身のフライなどで生ビールを2杯飲めた。
 帰りの船は大変眠かった。
 この日は祝島では有志で、柱立てなどを行い、舞台の部分をコンパネで組み立てていた。おらは捻挫で手伝いをしていない。ちょっと気が引ける。
 夜、モト君から誘いがあり、行くとのぶ君が来ている。おらは酒に弱いので、のぶ君が安いというブランデーをナメながら話に加わる。のぶ君は時彦君の墓参りに帰ってきたという。


8月9日(月)晴れ 凪
 地鎮祭にだけ参加した後、仕事場へ。地鎮祭のあと、少し平さんと話をする。子供達の立てた看板(道案内)を喜んでくれている。以前、平さんの石垣に行こうとして、道を間違った人もいたと言うことで、あの看板が在れば、その心配もないだろうと話す。
 昼の便で菊川さん達、宇部に帰る。
 昼休みにモト君が来て、のぶ君と、時彦君の仏壇に線香を上げているから一緒にと誘いに来る。行って13時まで話をする。
 17時から櫂伝馬の練習。町の職員方も手伝い。
 晩にモト君のところで話をした後、新太郎君の所に行って、飲んだり、唄ったりして、24時を過ぎる。のぶ君は古い歌をよく知っていて、しかも上手い。発音が、純粋な祝島語に近いのではないかと思う。17日まで祝島におれとすすめるが、盆前に帰るようである。


8月10日(火)晴れ 凪
 苫掛けの予定日である。朝、眠い目をこすりながら起きると、苫掛けは延期だそうである。台風の様子を見てと言うことだ。時間が空いて、紙を切ったり、ごろっとして過ごす。
 午後、切った紙を裕子おばさんと着物に貼り付ける。袖の部分は出来上がる。波の上をはねているのはボーズイオである。
 17時から櫂伝馬の練習。
 裕子おばさんの姉さんが帰省。このところ、祝島に大分帰ってきている。おらが家の周りにも、子供の声がよく聞こえる。


 8月11日(水)晴れ 凪
 朝、着物に紙の貼り付け作業。
 リョウキチは鯛の絵を描く。
 午後、神戸商船大の学生さん二人が伝馬船に乗りたいと行ってやって来た。伝馬船にこういう借用の要望が来たのは初めてである。クラブで櫓を漕いでいるという。後進も出来る。前進の逆に漕げばよいと言うわけである。なるほど、理屈にあっている。夏休みの練習課題が発生した。 
 17時から櫂伝馬の練習。
 暗くなる前にタチを釣りに出る。波止に行くと、のぶ君とモト君がいて一緒に出る。ひしおだったがちょうどよい潮が行き始めたのかよく釣れた。 


8月12日(木)晴れ 凪
 釣り道具を修繕。その釣り道具で、釣りに出る。中鯛1匹とチダイを10匹くらいとアジ少々釣る。
 櫂伝馬練習、今日はほぼ満席で漕ぐ。
 リョウキチは午後、商船大の有田君と伝馬船でたっぷり遊んだようである。祝島ならではの夏休みだ。
 剣櫂の着物ひとまず完成。
 正本のよっちゃんに同窓会の件で電話をする。今日はつながる。 


8月13日(金)晴れ 少し北風
 台風は中国大陸に上陸。神舞中の台風は、まず心配しなくてよくなった。
 同級生の和行君帰省し、立ち寄る。17日の同窓会まで居るようすすめるが、メジロを飼っているようで明後日くらいには大阪の方に帰るそうだ。
 珍しく墓参りをする。
 裕子おばさんの妹一家が帰省。友人のさつきさんが昼便で来島し、裕子おばさんは張り切って家中を掃除する。おらも指示を受けて、3平方メートルくらいを片付ける。マーティンさんも来て、あれこれ話をする。
 16時から櫂伝馬の練習。今日は、リョウキチ達は化粧して着物を着て予行練習だった。船も10隻が櫂伝馬の前を引き、神様船もつないでの練習。
 晩に岩本家でバーベキュー。総勢11人。にぎやかに夜が更けた。12時を過ぎて静かな海辺を3人で帰る。


8月14日(土)晴れ 凪 哲ぼんさんから、梨が沢山届く。
 朝、苫掛け作業。苫掛けそのものは早く終わる。その周辺の作業もなかなか多い。帰省している人も手伝ってくれ、はが取っていた。同級生のよっちゃんとツトム君も彼等の独特の雰囲気で、活躍していた。
 後半は敏坊さんのテント張りなどを手伝う。敏坊さんはあれこれ一番忙しいだろう。
 ほぼおおまかに終わった頃を見計らって、トキ君の初盆に行く。モト君、ワタムラ君、えつお君が来ていた。
 午後藤本家に顔を出す。万ちゃんは釣りをしていた。去年見ていたからと、サエルを狙って、釣っていた。大きいサエルだ。その後、前トビイシに行って、海の中を眺める。アワビはあまり見かけなかった。
 晩に「東京原発」という映画の上映があり、それを見に行く。帰りに藤本家に寄って、サエルの刺身と麦酒をいただきながら万ちゃんの会社の話などを聞く。万ちゃんは今年、なんと化学会社(上場企業)の社長になったのである。
 夕便でナゴジロー帰島。


8月15日(日)雨 凪 雨量計35mm(4日の雨も10mm程度入っている。)
 入船の日には五月丸は波止の中につないだままになるが、竹に大漁旗などをつけるので、竹を切りに行く。
 みっちさんのホームページのトップの写真が、カタクリの花から木曽駒ヶ岳の登頂写真に替わっていた。
 哲ぼんさんからのみずみずしい梨を食べる。梨の御礼を掲示板に書いたと思ったら、なんと夕便で哲ぼんさんとみっちさんがやって来たのである。これにはたまげた。学校グランドでキャンプ。
 17時から櫂伝馬漕ぎの最後の練習。哲ぼんさんも漕ぎ手が足りないので、乗ってもらう。みっちさんはひとりぼっちになって、おかがわから、涙ながらに手を振っていた。多分。
 練習後、少し前日準備などがあってぎりぎりで同級生の集まりに行く。話は多いに弾む。新太郎さん宅のカラオケセットで20曲ばかり歌った。演歌以外の歌は確か無かった。皆順調に年をとっている。12時過ぎに帰る。哲ぼんさん達も12時頃までおらが家にいたようだ。


8月16日(月)曇りのち晴れ 凪 入船写真
 6時過ぎにタカヒロ君とヤスシ君が助っ人で柳井からやってくる。漕ぎ手が足りないときは漕ぎ手になってくれると言い、漕ぎてがふさがった場合は控えてくれる。こういう貴重な人がいると本当に助かるのである。
 今日は控えるどころか、着いた途端にいろいろ仕事をしてもらった。マーティンさんがやってきて、櫂伝馬の竹の短冊付けをして欲しいと言うことで櫂伝馬の在るところに行き、作業をする。竹に日の丸の旗を付け、万国旗を付け飾りを終了。
 漕ぎては足りると言うことで、メインの仕事に運転手の仕事を頼む。VTRをとりたいという人がいて、漕ぎ手の予定から急遽その輸送軽トラの運転手になってもらう。その関係でトラックを移動していると、櫂伝馬の氷やら飲み物の運搬の依頼が舞い込む。それを片付けると今度は長椅子の運搬依頼。
 おらはその後、五月丸を飾る。
 9時過ぎに公民館に行って、初めてのとも櫂の着物を着る。リョウキチとヤッチャン達は7時から化粧と着物を着る準備をして、準備完了の状態だった。敏坊さんは他の手配やらで、ぎりぎりにやってくる。おらがとも櫂の、師匠なのである。波止に出ると、漕ぎ手はほぼ集まっていた。「てるつき」と「あきつき」の2隻で、おら達は「てるつき」に乗る。10時に合図の花火が上がり、予定通り、波止を出る。哲ぼんさん達が見送ってくれる。オトモノハナで、満ちの潮が早く、沖に流されて回る。西の波止を過ぎてからは進宝丸に曳航されて三浦まで行く。
 三浦で、1時間くらい待つ。予定より大きく遅れたからか、櫂伝馬はホーランエーで迎えることなく、曳航されて、三浦の波止近くまで行き、そこからホーランエーを少しする。
 12時過ぎに三浦に上陸して、神事。おら達はその間に昼食。宮司さん達は神事の後神様船で昼食。
 13時少し過ぎて、三浦湾を出発。14時頃から人家の沖を3周回る。
 15時過ぎに中の波止の中に着岸、皆さん上陸。
 15時半頃櫂伝馬を東の波止に回す。
 16時頃帰ると家で哲ぼんさん達が待っていて、リョウキチの踊りをほめてくれる。
 リョウキチ、夕方タコを捕っていた。
 今日久しぶりにあった人のメモ。
 昼間。
 みねこさん。田布施のおらが教え子。今、老人関連の施設に勤務していて、祝島の人にも知り合いが結構いるのである。特にフクエさんは、仲の良い知り合いだったのだ。フクエさんの家にも挨拶に行き焼香したそうである。
 アイちゃん。家族連れで来島。お父さんは7年前にも来られて、写真を撮って、大島の方の郵便局に展示したり、祝島中の文化祭にも出品してくれたりしたことがある。祝島を今もひいきにしてくれているのである。アイちゃんの姉さん一家も初めて祝島を訪問。確かニューヨーク近くに住んでいるのだ。初対面を果たした。
 暗くなって。
 ケンちゃん。ショウジロウ君(しょっちゃん)の兄さん。しょっちゃんがよろしくとのことで、ホームページを時々見てくれているようだ。しょっちゃんはおらが親戚で、走るのが速かった。潜るのも長かった。
 テッチャン。テッチャンは大柄になって、娘さんが祝島関連のホームページをよく見ているようで、テッチャンより祝島のこと(特産品とか)を良く知っているようである。子供の頃に磯に一緒に行っていた。


8月17日(火)雨 凪
 裕子おばさん、5時から炊き出しの手伝い。
 昼にナゴジロー、宿題の料理を作る。
 台風15号が、悪いコースを通りそうである。しかもスピードが早そうである。明日は台風に備えた作業になりそうだ。
 夕方、マーティンさん来宅。メールを打ちたいと言うことである。その後少し話をする。その後同級生から電話があって、浜本邸に伺い、話をしたり、歌を歌ったり、飲んだりする。進宝丸は本当に歌が上手い。新太郎君との○○兄弟という歌は最高である。3時までお邪魔をする。そうそうとっきーさあもやって来た。新太郎君もとっきーさあもボーリングは相当上手いようだ。おらはこの夏、「かえり船」を新太郎君邸で3回唄ったことになる。


8月18日(水)曇り時々雨晴れ間も見える 南風のち大南風 台風15号の影響
 朝、五月丸を避難のため移動。その後、出店などに使ったテントを収納。櫂伝馬も台風に備えて綱を張るなどして備える。
 午後は神舞小屋外回りの備え。20時から小屋の中を片付ける。神楽は急遽、20時まで舞って終了とする。明日は台風のため神楽は無く、宮参りだけのようである。
 ナゴジロー、宿題を兼ねて夕食を作る。夕食ではなく、夜食になった。


8月19日(木)曇り 大南風(台風15号対馬あたりの日本海を通過)祝島の暴風は4時から8時頃
 9時頃浜に出てみると櫂伝馬も神舞小屋も大丈夫のようだ。伝馬船が木造なので浮かんでいる状態。波止を越えた波が入り込んだようである。
 午後、櫂伝馬を定位置に戻す作業の手伝い。作業中に一つ収穫。「長やまじは大西風になる」という言い回しである。寿宝丸から聞いた。やまじ(山を越えてくる風、祝島では南西風に当たる)が長く吹くと、大西風になると言うことである。明日は西風だろう。
 その後、伝馬船のアカかえ。すいたが2枚流されていた。櫓はありた君がちゃんと括っていたので、流されないで済んだ。さすが伝馬船漕ぎ部だ。秀人君の船も無事だった。
 リョウキチ達は、やまがたさんがお好み焼きを作ってくれると言うことで、夕食はそちらにお世話になる。子供連中はみんなよばれるようだ(よばれるというのはご馳走になると言うこと)。食べた後、花火をして帰る。楽しかったようである。


8月20日(金)曇りのち晴れ 凪
 リョウキチは7時半から化粧などの準備。
 おらは、櫂伝馬の化粧の手伝いをした後、五月丸の旗を立てる。
 11時前、公民館に行き、リョウキチと記念撮影。櫂伝馬に行くと、思ったより漕ぎ手が集まっていた。同級のフンミーサアも来てくれている。初めて漕ぐと言うことである。
 敏坊さんは清水丸で伊美に行く役割が出来たので、トモガイを初めて一人でやることになった。西風が吹かないので、助かったと言うところである。
 11時半に東の波止を出て、西まで行って、休憩し、中の波止には行って、皆さんを待つ。
 13時前に御座船、櫂伝馬が中の波止を出発。列を組んで、人家の前を3周し、列を解く。
 御座船などが伊美に向け走る。櫂伝馬はモチドを過ぎるところで見送る。
 東まで進宝丸に曳航される。そこで「あきつき」とヨイサをする。その後東の波止に入る。
 若者は海に落とし合い終了の味を楽しむ。
 15時半頃から小屋で、麦酒を飲む。二つ下の三国君や商船大の有田君と小屋の中で最後まで話をする。有田君は航海科と言うことで、卒業後半年間の実習で3級受験資格が出来、それから資格試験と言うことらしい。また春にでも伝馬船に乗りに来てもいいかと言っていた。
 夕方、五月丸の旗を片付ける。


8月21日(土)晴れ 凪
 7時から小屋解き作業。上に上がって苫を外す。その後竹を括っているヒモを解く。伝馬船を移動。舞台に使ったコンパネや鉄パイプを藤本の倉庫に運ぶ手伝い。伝馬船を倉庫に収納、これは100人近くでの作業。太鼓や、カラオケセットを公民館に運ぶ手伝い。その間に柱が伝馬船の間に収納され、11時半頃ほとんどの作業が終了し、必要な人は竹を持って帰っていた。竹は色々に利用されることになる。
 この解体作業で神舞行事が終了である。
 リョウキチは自転車の初のパンク修理。
 昼便でエミちゃんが帰るので見送りに行く。途中エジリの江本の前で藤樹さんに麦酒をご馳走になる。
 エミちゃんは全国芸能協会の方に色々祝島を紹介し、この神舞の撮影や取材の協力をしていた。10月に上映会が東京であるそうだ。
 ゴロッとしていたら昼寝になって、起きた後、リョウキチがパンク修理をしたタイヤ(チューブ)の空気が抜けているので点検するが、大丈夫だった。その後、リョウキチと自転車を1時間あまり漕ぐ。久しぶりの運動と言う感じである。サトシ君と子供二人が夕陽を眺めての帰りのバイクと競争した。リョウキチは少し付いていった。
 自転車から帰って、久しぶりにタチを釣りに出る。10匹余り釣れた。久しぶりの刺身である。


8月22日(日)曇り 凪
 平常の生活に帰ってきたようで、おらも少し仕事をする。
 17時頃、水泳に励む。珍しく、モチドの方で1kmおよぐ。久しぶりである。
 五月丸の旗竿にしていた竹を片付けて、五月丸も完全に元に戻る。だだ夕方には台風16号に備えて、早くも避難。
 台風接近は26日くらいとは思う。明日、明後日は出張が続く。
 リョウキチ、暗くなって帰ってくる。小さめのサバ、アジ、カマスを釣って帰る。ルアー(ジグ)で釣ったようである。本命はヤズだったそうだが、久しぶりで結構気持ちが弾んでいた。


8月23日(月)曇り時々晴れ夕方激しい雨 凪
 朝、リョウキチ早起きをして釣りに行き、ランニング。カマスを1匹だったという。
 おらは大和町に行く。
 柳井でデジタルカメラや空気入れ、本などを買って帰る。
 祝島に着く前に大雨になる。迎えに出た裕子おばさんとずぶ濡れになる。珍しくショートケーキを買って、両手がふさがったので、取りに出て欲しいと頼んだのが裏目に出た。


8月24日(火)晴れ 凪
 室津で仕事。五月丸で行き、帰りにコージロに寄り、釣りをして帰る。日射しが強く、腕が日焼けする。
 ハマチ1匹、タイ3匹、チダイ10匹くらい、アジ10匹足らず。ヤズでも釣れないかと思っていたのだが、ヤズは釣れず、他は期待以上に釣れた。ハマチはまず一匹来たと思ったら釣り針のもとから切れ、次には2匹来ていたようだが、枝の一本は切れていて、一匹だけ20分くらいかけて捕る。今年最初のハマチである。ハマチは疲れてイケマで死んでしまった。約5kg。
 ナカバエまで帰ったらヤズがチャプチャプ涌いているので、やってみると釣れた。5匹釣って帰る。
 帰ってみるとナゴジローは柳井に行っていた。
 リョウキチは波止で夕方、カマスを1匹。夜、ごそごそルアーを作っていた。
 晩方、マーティンさん、挨拶に来る。マーティンさんは紅茶が好きだと言うことだ。


8月25日(水)曇り 凪
 リョウキチ、朝早く釣りに出て、手製のルアーでカマスを1匹釣って帰る。その後ランニングに出る。帰ってきて、大きいチンが見えたと、また釣りに出る。釣れなかったようである。
 マーティンさん、昼便で島を出る。10人近くの人が見送る。たみちゃんがテープを用意している。マーティンさんは運動会にまた来るということである。出場種目は決まってないけど、たみちゃんとのコンビがすでに契約済みの模様である。
 リョウキチ、夕方自転車漕ぎ。おらは水泳。その後、リョウキチは釣りに出て、カマスを2匹。おらはナガイソに生ゴミを持っていく。ナガイソに山から下りる空気が冷たさを帯びてきた。秋の気配だ。


8月26日(木)晴れ 凪
 上関に用があり、その後リョウキチといわいに乗って室津に渡る。室津で降りた後で、リョウキチはそのまま柳井に行って、釣具屋に行けばよかったと悔やむ。柳井行きの、良い時間のバスがなかったので、室津で四階楼の見学をしようか、と言うことになったのである。
 四階楼を見た後、おらは用があるので、リョウキチと別行動。
 帰りのいわいで、ユウベエと一緒になる。ユウベエはこれから祝島で夏休みである。


8月27日(金)晴れ 北波が少しある
 リョウキチは朝のランニング。
 昼便で同級生の孝一君が帰ってきたのに偶然出会う。
 昼前から、バイクのパンクを直したのだが、チューブを入れるとき、工具に挟んで、また穴をいくつかあける。やり直しで、昼飯を挟んで午後まで時間が掛かる。
 「おらがトライアスロン」
 昼寝をしていたリョウキチが起きるのを待って、「おらがトライアスロン」を実施する。始まって以来の、記念すべき参加者2名!の大会となる。
 15時半頃の出発。西の波止からスタート。まず1kmの水泳。リョウキチは200mくらいクロールで、あとは平泳ぎで行く。おらはクロール。北波と少しアビキがある。運よくエサカブレには出会わなかった。到着寸前にシマアジのような形の魚の群に出会った。タイムは26分。
 そのあと自転車を40km漕ぐ。リョウキチのはそれようの自転車で、おらは三段変速の実用車。リョウキチの方が早い。自転車はモチドから三浦の広い道を4往復と少し短い1往復。裕子おばさんが写真を撮りにナガイソまで来てくれる。おらの自転車が三往復目にパンクをする。家に帰り自転車を乗りかえる。
 約2時間20分自転車を漕いで、リョウキチの方が自転車を早く終わる。それに合わせておらも自転車をひとまず終了して、ランニングにはいる。給水用のペットボトルをおらが設置したので場所をリョウキチは知らないのである。コースの折り返し点もはっきり知らないので、ランニングは一緒に行く。
 ランニングコースは約10kmの北野道である。ゆっくりゆっくり完走を目指す。おらは盆前に足首を捻挫して、それ以来走っていないので、走れるかちょっと自信がなかった。前半リョウキチはあえぎ気味だったが、後半の半ばからは体力が復活したようであった。おらも何とか完走できた。途中何カ所か暗くてほとんど道が見えないところがあり、リョウキチはスリルがある、とか言っていた。帰りに蛍のように光る虫がいた。草に付いているのだが、点滅はしない。
 二人とも1時間半のランニング。おらはその後、少し足りなかった分の自転車を漕ぐ。
 約50kmの「おらが(おらまが)トライアスロン」の所要時間はリョウキチ4時間29分、おら4時間45分であった。


8月28日(土)晴れたり曇ったり 北風北波
 あさ7時過ぎから台風に備えて、東の波止の綱を張る手伝い。
 自転車のパンク修理。
 夕方、東の浜の飛び込み台などを片付ける。沖側の錨綱は前回の台風で切れてしまって、飛び込み台はひっくり返っていたのだった。今度のが、祝島の西側を通ると相当な風波が吹き付けるだろう。
 ユウベエにヤズの刺身を作る。魚は結構好きなようだ。


8月29日(日)曇り 北波
 台風16号のアビキが寄せて、大分接近してきたことを感じさせる。
 久しぶりにシラサキ、ソーズイに行ってみる。平さんの田の稲が色づいている。この写真を撮るのも一つの目的である。
 ソーズイに行くと木に蔓草が巻き付いている。ザクロの木、柿の木と、ビワの木1本の蔓草を切る。大分蚊に刺される。ザクロに3つほど実が付いている。熟れるまで付いていたら初収穫である。下の方からアビキの音が大きく聞こえてくる。
 帰り道、シラサキで道端の草刈りをしている平さんに会う。入船の日や、出船の日に石垣の写真を撮りたいという人が何人かいたようだ。
 コソウズでジャム用にウシビタを少し採る。
 15時頃からヨボシまで行き、アビキを写す。干潮時なので、アビキは小さい方だろうけど、それでもかなりうち寄せている。


8月30日(月)台風16号通過
 朝、雨模様だったが、リョウキチランニング。
 15時から17時に暴風。16時半頃966hPaまで気圧が下がる。防府に上陸したようである。
 15時半頃から18時半頃まで停電。ほとんど被害かなかったようである。ひとまずよかった。
 一日仕事場で過ごす。
 20時頃から23時頃まで西風が強く吹く。吹き戻しだろうが、これほど強く吹くのは珍しい。


8月31日(火)曇り 凪
 朝、リョウキチランニング。その後、勉強をしている。
 昨日から、変身して、急に勉強を始めた。
 五月丸をいつもの位置に戻す。「たつ」というトモの綱をくくる部分が折れていたので、新庄さんに修理を頼む。
 午後、「たつ」の修理をしてもらうため、五月丸をクレーン波止に持っていく。
 昨日とはうって変わって良い凪になる。
 仕事場の温室の波板などを修理する。角材の一部をくっつけたまま飛ばされたのもあり、少し手こずる。
 アボカドが大分大きくなる。
 おらが夏休み、最後を飾るべく、夕方タチ釣りに出る。タチ釣りの前にアジを数匹釣る。その後、タチを10匹程度釣る。
 夕食はタチとアジの刺身とタチの唐揚げ。リョウキチはアジとカマスの一夜干しを作る。
 今年のおらが夏休みはどうだったのだろう。やり残したことも多いような気もするし、あれこれやれたこともいつもの年より多かったような気がする。短歌は全く作れなかった。秋の夜長を感じたときに作れたら作っていくことにしよう。釣りも少なかっただろう。秋にまたいろんな魚が待っているような気がする。
 おらが夏休みに、色々なめぐみをもたらせてくれた祝島と瀬戸内海に感謝して、おらが夏休みを終了しよう。


9月の日記帳へ