まーちゃんの事、びーの事              出会ったとき



       まーちゃんは、妹が連れて帰ってきました。
      塾の帰りに。雨が降ってて。
      その前に、私も、学校に迷い込んだ仔猫を連れて帰って。
      「さる」って仔猫なんだけど。さるはすぐに新しいお家が決まって、お別れのときは、みんな、相当辛かったです。
      さると、まーちゃんはちょっと似てて、妹も連れて帰る事は、相当迷ったと思うんだけど。

      正直言って、家はペット禁止の住居なんだけど、もう、最初から、新しい家族として迎えました。
      目の上に、マユゲみたいな点の模様があったので、「まろ」になりました。
      まだ仔猫だったまーちゃんは、今よりずっとワイルドで。
      まだまだ仔猫なんだけど、いろんなことがあったんだろうなーと思いました。
      今でも、うちの家族としか仲良くしません。
      でも、1回でトイレも覚えたし、ピコとピイコ(小鳥)とも仲良くなったし、本当に小さい頃から賢かったです。

       まーちゃんが家族になって何年かたって、私と妹はいつものように、ミサカに行きました。
      ミサカは、山があって、池があって、公園があって、小さいお店があって、ねこさんがいっぱいいます。
      主に、おいてけぼりにされた子や、そんな子達の家族です。

      私たちは、しょっちゅうココに来て、ねこさんたちにごはんあげたり、写真撮って遊んだりしてました。
      私は、その頃、なぜかいつも昼間から飲んでました。(ツライコトでもあったかな?)
       その日は、ママンの誕生日が近かったので、2人で山に入って、ママンの好きな野イチゴを集めてました。
      山から出てきて、お店のおばちゃまに野イチゴを自慢しようとしたら。

      おばちゃまは、それよりさきに、箱に入って動かない仔猫を私達に見せました。
      氷みたいに冷たくって。正直言ってもうダメだと思ってました。
      まだ、私の手のひらよりも小さくて。何にも悪い事してないのに。
      私と妹は、せめてもの事はしようと決めて。うちの子としておくってあげようというのが本音でした。
      でも、私は怖くて怖くて涙止まんないし、妹がしっかりしててよかった。
      すぐ、子猫用のミルク買って家に戻りました。妹が買い物してる間、仔猫をおなかにいれて暖めてたんだけど。
      私のおなかが冷たくなるほどだったのをハッキリ覚えてます。

       まーちゃんは、家にかえったとたん、「ふー」って怒りました。隠しててもわかってました。
      それからは、ちょうど無職だった私が、ビービー泣きながらお世話をしました。4時間おきにミルクを飲ませて、トイレをさせて。
      怖くてどうしようもなくて、アルコールに頼りつつ、ろくに寝ずにおかあさん代わりをしました。
      まーちゃんは、家に来た時、もっと大きな仔猫だったし、こんなことするの初めてだったし。
      私が寝てる間に、具合が悪くなったらどうしようと思って。本当に怖かったです。
      だんだんミルクを人並みの量飲めるようになって。もうすぐ目も開きそうでした。

      しばらくママン達にはナイショにしてたんだけど。
      けど、すぐに私の部屋の箱から飛び出すくらい元気になってバレました。
      まーちゃんが、他の人を寄せ付けない子なので、新しい家族を探さないといけませんでした。
      でも、ちゃんと名前を呼んで、賢い子に育てないといけないので、すぐ名前を決めました。
      「びわ」です。果物のびわ。黄色くて、おいしくて、みんな好きだから。ビイルのびーではないんです。

      離乳食をはじめたころ、病院に連れて行って、色々検査をしてもらいました。ワクチンとかもしました。
      まーちゃんと会わせる為です。

                 つづく。

      ※まーちゃんとびーには、「私とまーちゃんは、黄色いチューリップの中から生まれたふたご」で、
        私達の妹がびーくんって言い聞かせてるので、この事はナイショです。


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