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 おらが秋2003年

9月1日(月)雨のち晴れたり曇ったり

カマス


 仕事場周辺の草刈りをみんなで1時間ばかり実施。
 おらが秋は、夏の終わり頃にウシビタとツクツクホウシとヤズが気配を持ってくるが、今年はどれも遅いようだ。ウシビタはボツボツ熟れている。ツクツクホウシは今年は少ないのかも知れない。ヤズは少し釣れ始めたようだが太りが遅いようだ。どれも夏の雨と、暑さが弱かったことが関係しているのだろう。水の心配をしないですむのは良いが、稲にはこたえたようだ。
 リョウキチ、夕方釣りに出る。カマスを1匹釣る。  


9月2日(火)晴れ
 朝、家を出るとき黄色の小さめの蝶がプランターのネムノキにとまっていた。
 9月になって夏が来た、と言うような暑さが昨日、今日と続く。
 祝島の「さわやか運動会」が9月20日(土)にある。午後はカラオケ大会もある。島の外に住んでいる人も、祝島に帰ったり、来たりして見るいい機会ではないかと思う。
 東の浜の飛び込み台を陸揚げする準備を昼休みにやっておく。伝馬船もリョウキチと夕方のぼせる(陸に揚げる)。少し傷んできたので修理が必要である。この伝馬船は嶋ちゃんという当時の若者が新庄造船所で作って、島を出ていくときに置いていったのを借りているのだ。ビールが好きな若者だった。
 晩方家の中でコオロギが鳴いている。朝と夜は秋である。
  


9月3日(水)晴れ
 秋の夏日が続く。
 朝早起きして、一輪車の練習を始めた。運動会の子供達の人気種目に一輪車乗りがあり、今年は子供達の計画で進めることになっている。乗り手のメンバーに、おらも入っていることが分かったので、練習開始となった。1週間〜10日間で、まず乗れるようになることが第一目標だ。
 ヒラギで練習をしていると、通る人が声を掛けてくれる。「子供はすぐ乗れるようになるがねえ」と励ましてくれる。
 夕方、伝馬船をボーズリでこする。


9月4日(木)晴れ
 暑い一日。伝馬船が修繕されている。

トモの部分、櫓グイの所の
木が腐っていたのを新しく
修繕。櫂でも漕げるように
してもらう
ミョウシの方の裏
腐っているところを新しく修繕
してもらう。
夕日 上弦の月

 夕方夕日を写しに行く。昨日は間に合わなかったが今日は沈む寸前の夕日が海水面の上にあった。18時25分頃が日没である。上弦の月が山際にあった。
 朝晩と一輪車乗りを練習する。2m進めた。新記録である。
 ツクツクホウシが一斉に鳴き始めた。他のセミは不思議なくらいになりを潜めた。


9月6日(土)晴れ
 朝便で裕子おばさんとリョウキチが柳井に向けて出発。

小屋 カマス 開き


 おらは長磯の小屋作りにいそしむ。釘が足りないので、金万商店に買いに戻ったりして、大分進む。小屋には、いろいろ増えたがらくたなどの置き場・倉庫にする予定である。屋根は檜皮葺(ひわだぶき)にしようと思うのだが、どのようにしてヒノキの皮をとるのか、誰かに聞いてみようと思う。ヒノキは裕子おばさんの親元の山に立っている。
 午後、小屋作りで汗をかいた後、東の浜で泳ぐ。海水もかなりぬくもっているが、なかなか気持ちがよい。
 夕方、五月丸を船台に上げる。早川のおじさんと安藤のセイニイさんに手伝ってもらう。上げた後、船にびっしり着いているシセ(フジツボ)をヘラで落とす。ヘラは藤本のシロウちゃんが柳井で買ってきてくれたものだ。
 リョウキチ、柳井から帰って釣りに出てカマスを4匹釣って帰る。さばいて開きにして一夜干しを作っていた。


9月7日(日)晴れ

船台に上げた五月丸 サワラ4匹

 朝から船たでに励む。安藤のおじさん達も頑張っている。おらが五月丸は1年半以上前に船たでをやって以来で、シセがびっしり着いている。スクリュウやシャフトにも数oの厚さで着いていて、船を動かしたとき尻を振るのはこれのせいだと教えてもらった。ペンキを塗っていると磯部さん所から素人のど自慢の放送が聞こえてくる。「待つわ」が鐘が3つ鳴った。ゲストの一人は氷川きよしらしい。ペンキ塗りが2時頃終了。いい汗をかいた。
 飯を食べて一輪車を少し練習する。
 夕方、潮が満ちてきた頃、五月丸を下ろす。ついでに釣りに出る。運よくウヤシマでサワラが4匹釣れる。大きいのは2.5kg位である。ヤズの小さいのも1匹。大漁だ。波止に帰ると、リョウキチとユウベエがいた。リョウキチの釣りにユウベエもつき合っていたようだ。  


9月8日(月)晴れ
 朝晩15分くらい一輪車に乗る。
 朝食にリョウキチの作ったカマスの開き。
 夕方伝馬船の白ペンキを塗る。修繕は完璧に終わっている。
 夕食にサワラの刺身とアラの塩焼き。




9月9日(火)朝曇りのち晴れ夕方曇り

改修・お化粧した伝馬 臨時野球部員の帰宅

 朝、100人くらいの人が出て、学校のグランドの草取りをしてくれる。見違えるようにきれいになった。グランドの草取りには最高の人手である。
 朝、昼晩と一輪車の練習をするが進歩は無し。
 夕方、赤のペンキを塗る。完成である。櫓も新調した。
 リョウキチは先週から、野球部の助っ人に行き、海浜活動は今のところおら一人である。休みの日には櫂をこぐ練習をするかも知れないが、本格的な伝馬活動は11月からになりそうだ。
 台風の進路が気がかりになってきた。


9月10日(水)曇りのち雨
 夜、体育館でソフトバレーボールをする。子供達3人も参加。汗をかく。


9月11日(木)曇り時々雨
 台風14号の進路が日本海に向かっているので、朝6時頃から五月丸の避難、伝馬船の陸揚げ等をする。
 東の浜の飛び込み台も子供達、若者達で陸揚げ、収納(ひっくり返しておくだけだが)する。
 宮古島では台風14号が猛威をふるっている。910hPaという猛烈に発達している台風である。


9月12日(金)雨

東の波止に避難している五月丸

 台風用の準備は完了する。進路が遠いのでやや安心であるが、祝島の西側を通ると遠くても南風が強いので油断は出来ない。
 午後台風14号の風が少し吹きはじめ、4時過ぎから台風を感じさせる南風がやや強まる。
 定期船の「いわい」は昼便まで就航し、晩便は欠航である。


9月13日(土)晴れ
 朝便のいわいがやってくる。
 夜中は二階が少しゆれるくらい南風が吹いた。祝島に被害はほとんど無い。山道には少し枯れ枝などが落ちている。カジノキの実が熟れている。
 五月丸を元に戻す。
 ウシビタを採りに行ってみるが、今年は不作の年のようだ。ジャムを一ビン分作る。
 夕方釣りに行ってみるが、ヤズが一匹。台風で魚も休みのようだ。釣りの途中で臨時野球部のリョウキチから、初試合の報告が入る。初勝利と言うことである。リョウキチは3三振だったそうだ。おらが漁とほとんど同じである。体験が収穫だ。夕空・夕海はきれいだった。


9月14日(日)晴れ
 朝便で出る。
 友達の見舞いに岩国に行った後、柳井の球場にリョウキチ達の野球の試合を見に行く。今日は負けたが、良く健闘した。リョウキチは今日も三振だったが、ファウルが2本打てたので、良かった。
 試合後にリョウキチと自転車で内海漁具店に行ってそれぞれ買い物をした。
 晩便で帰る。帰った後一輪車を練習する。少し進歩したが、まだまだである。


9月15日(月)敬老の日 晴れ
 朝から釣りに出る。昼前まで釣って、ヤズ3匹とチダイを10匹くらいとタチ1匹。
 裕子おばさんとリョウキチは敬老会に参加する年寄りに造花を付ける係と言うことで、そちらに行っていた。
 午後、一輪車の練習をした後、ヨボシにヤズ漕ぎに出る。15匹釣れる。大漁だ。
 ヤズ漕ぎから帰って、また少し一輪車の練習をする。なかなか難しいもんだ。
 晩方、マーティンさんから電話があった。運動会に来られると言うことで、その電話だった。マーティンさんは数年前に中学校の英語指導助手(ALT)として祝島に来ていたのだ。祝島を好いてくれているのだ。おらは英語が駄目だが、マーティンさんは日本語が素晴らしく上手なので、電話では全然英語は話してないのである。


9月16日(火)
 長磯の小屋作り用の板を取り寄せる。敏坊さんが安いのを手に入れてくれる。夕方長磯へ運ぶ。


9月17日(水)晴れ
 夕方、文彦君とマキさんに手伝ってもらって伝馬船を海辺まで下ろす。


9月18日(木)晴れ
 伝馬船を浮かべる。ちょうどヒンデーさんがいたので櫂の漕ぎ方を少し教えてもらう。


9月19日(金)曇り
 いよいよ運動会が明日に迫る。地区の組長さんが学校に上がって、テントを立てたり入場門を立てたり、その他いろいろのものを運び、最後に大漁旗を揚げて準備を完了する。
 マーティンさんが来島。おらが家に泊まり、文彦君と秀人君も来てくれ、日本語で話が弾む。


9月20日(土)曇りのち雨

ロング一輪車 来島の若者五人組


 運動会当日。盛り上がり、楽しい一日になる。おらが一輪車は文彦君やリョウキチやみんなのおかげで、みんなで手をつないで回る所だけは成功して拍手を浴びた。一人だけの所は残念ながら2mくらいであったが、腕は上がったことは確かだ。
 以前勤めていた先生方も来てくれ、いろいろ出場したり手伝ったりしてくれる。
 ナゴジロー、ユウベエも昼便で帰る。
 午後はカラオケ大会。おらはあすかちゃんの「花」のギター伴奏で出演した。カラオケ大会も盛り上がっていた。外では子供達の臨時チームによる臨時野球大会も併行して催されていた。エースのヤッチャンの球がなかなか威力を発揮し、三振する大人が続出した。
 晩便で皆さん帰った。


9月21日(日)晴れ 北風強
 運動会終了で一段落。
 長磯の小屋作りにリョウキチと行く。屋根の部分に板を打ち付ける。
 リョウキチ、ナゴジロー、ユウベエ4人で墓参りをした。宮の下で、キツツキが木を叩く音がしていた。リョウキチとユウベエはそれを探していたが、見つからなかったようである。
 ナゴジローとユウベエは昼便で柳井に帰る。
 午後、おらだけ長磯に行き、横の部分に少し板を打ちつける。
 4時前からリョウキチと櫂の漕ぎ方を練習する。まだ漕げない状態である。北風が強いので難しい状態ではあった。櫓で漕ぐ方はちゃんと進んだ。


9月22日(月)晴れ 西風やや強
 朝久しぶりにソウヅイに行ってみる。草ボーボーで通れないくらいである。ザクロの木や柿の木、ビワの木にカズラが巻き付いて、もとの木が見えない状態である。数本の木のシゴをして帰る。帰り道に平の万次さんに田や山小屋を作った話を聞く。大きな石がゴロゴロあるところを祝島では「ゴーヤ」というが、平さんの田はそんなゴーヤに作ったのである。斜面の角度はほぼ45゚。万次さんもそのお父さんと一緒に田んぼを二つ作ったそうである。その田んぼを作り始めた時、万次さんのお父さんの年齢は70才。その田んぼを作った後、その田用のため池をつくって上げようと作りかけ、完成する前に80才で亡くなったと言うことだ。70才で作ろうと作り始めたその心意気が、まずすごいと万次さんも今更ながら感心していた。本当にそうである。個人で、人力で作った石垣とは考えられないくらい立派な石垣であり、田である。田の土も一級品だそうだ。ゴーヤにたまっている土は腐葉土でいい土だという。その土を田の表土に使っている。万次さんが手伝って作った田は今はミカン畑になっているが、ミカンの味もいいという。「ゴーヤ」の土については初めて聞いた。コッコーがゴーヤの石だらけの所に育ち実を付けているのは、このゴーヤの土のおかげと思い当たる。

平の山小屋(立派な住宅) 棟の木はオオトオから切り
だしたそうである。
竹はウメノカタから運んだ
もの。
壁は白壁 自在付の囲炉裏もある。 田の石垣

平の小屋のページ

 午後ヒノキの皮を採りに行く。大きい木でないと採れない。仲居その小屋の檜皮葺は無理のようである。
 夕方、夕日を撮りに行く。その後リョウキチと波止の中でルアーを投げてみるが、あたり無し。


9月23日(火)晴れ 東風
 朝、タカトオに行く。6月に挿した芋蔓が、台風で抜け、数本残っていたのが生き残り伸びている。何個かサツマイモが採れそうだ。蚊取り線香を持っていくのを忘れて、蚊にやられた。
 その後、オナゴダケを切りに山に行き、持ち帰ってカナツキの柄にするのに合うかどうかを、浜にいる江本大工さん達に聞くと、近くにいた幸ちゃんが「造ったのをやろう」と家から2本持ち出してくれる。幸ちゃんは波止からカナツキでよくスズキを突くのだが、そのカナツキも見せてくれる。いろいろカナツキについても知ることが出来た。
 オナゴダケを採りに行く途中、石垣にヒメウラジロというシダが元気にあるのを確認する。結構珍しい植物と言うことだ。

ヒメウラジロ 葉の表 葉の裏(小さく白いので
ヒメウラジロ)

 午後檜皮を採りに北野に行く。この前から採っているのと併せて、薄く敷いても屋根の四分の一にも足らないくらいしか採れない。檜皮葺きはあきらめて、違うものでやることにしよう。トタンとかが簡単だと勧められている。面白い材料を考え中である。
 夕方、リョウキチとスズキを狙うが、だめ。


9月24日(水)雨
 昨晩から久しぶりの雨。畑にはいいうるいだ。昼過ぎまで降ったり止んだりの天気だった。
 昼便で裕子おばさん柳井行き。カレーを作っていってくれる。ヤズの刺身で、いただいた上等の酒で一杯。リョウキチとカレーを食べて早寝をする。


9月25日(木)曇りのち晴れ 凪
 昨日早寝をしたら、早起きしたのでスズキ狙いのルアーを投げてみるが気配なし。
 夕方釣りに出てみると、アジが30分くらいで40〜50匹釣れた。夕焼けがきれいだった。波止ではリョウキチも釣りに出ていた。リョウキチは今日昼便で柳井に通院、晩便で裕子おばさんと一緒に帰ってきた。7時頃カマスを1匹ぶら下げて帰ってきた。塩をまぶしていた。塩焼きにするという。



9月26日(金)晴れ 凪
 朝、早起きしてテレビを着けると北海道の地震の報道をしていた。大規模地震である。その時点では、大きい被災の情報は入ってないようだが、かなり広い範囲で被害を被っていることだろう。震源が比較的深いからか震度は6弱と言うことである。テレビを見ているときに余震の大きいのが起こった。1カ所6弱の所があった。ひどいことになっていなければよいが。(夕方のニュースでは相当な被害があったようだ。)
 6時過ぎに伝馬船のアカかえに行く。櫂の漕ぎ方を少し練習する。何とか進むが正しい漕ぎ方かは不明。
 小屋の板の追加が清水丸で届く。
 ヨボシに釣り船が10隻くらいいる。アジを釣っているのだろう。
 夕方ウヤシマに釣りに行くが、釣れなかった。リョウキチ、波止の中でカマス1匹。


9月27日(土)晴れ 北西の風
 風も日射しも純正の秋。
 リョウキチは臨時野球部員として練習試合で上関に行く。一球バットに当たったと言うことである。残念ながら前には飛ばなかったようである。
 おらはコージロに出る。1kgのマダイが1匹とチダイ、アジが10匹足らずずつ釣れる。
 昼便で裕子おばさんは蒲井の上関苑に行く。叔父の冬着を持っていく。
 午後おらは小屋作りを少しして、干してある布団を入れに2時頃帰る。帰るとすぐに、電話があり、室津に野球部のヤッチャンとリョウキチを迎えに行くことになる。布団を屋根から家の中に投げ込んで、急ぎ五月丸で室津に向かう。3時に到着。帰りに蒲井に寄って、裕子おばさんがいる筈の上関苑に行ってみる。おじんにも久しぶりに会う。上関苑に入ったのも初めてである。裕子おばさんも五月丸に乗って帰る。4時20分に祝島に到着。みんなを下ろした後給油して、ヨボシに行ってみる。ヤズは釣れなかった。
 ヨボシから帰り、久しぶりに4qくらいランニングをする。


9月28日(日)晴れ 西風あり
 西風があると、コージロは強いと思い、釣りに出ず、リョウキチのバッティング練習につき合う。風は思ったほど無かったようである。
 昼前から昼飯を挟んで3時過ぎまで、長磯の小屋作りに励む。大分小屋らしくなった。屋根はとたんぶきにしようと決めるが、もっと面白いものはないかとまだ考えている。
 夕方ウヤシマに釣りに行き、アジを釣る。夕方にいい型のアジがウヤシマの近くに寄っているようだ。
 江本のユウボウから平の小屋の写真が送られてくる。去年か一昨年位の写真だろうか。ビワの木の大きさからあまり昔ではなさそうである。草の様子から、連休頃帰った時の写真かと推察。


9月29日(月)晴れ 凪
 秋晴れのいい天気が続く。花瓶を一つ粘土で造る。
 昨日釣ったアジは9kgだった。


9月30日(火)晴れ
 出張で祝島を出て、自転車で30Kmくらい走った。柳井に自転車があると便利である。柳井の小屋作り用のねじなどの小道具を買う。
 帰って4kmゆっくり走る。


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